2008年10月4日土曜日

感謝 「バカになる、寅さん40周年(2)」

       寅さん映画の観客数寅さん映画が公開されたのが、昭和44年(1969年)8月でした。第1作の観客動員数(映画館に足を運んだ人)が54万人、第4作までは横ばいです。人気が次第に上がり、第5作から70万人そして90万人となり、第8作には148万人の観客が動員されました。昭和47年の第9作「男はつらいよ、柴又慕情」(マドンナ・吉永小百合)から更に人気上昇し189万人、そして経済の右肩上がりにつれ(?)200万人を軽く突破する観客動員数が続きます。最大の観客数は、昭和48年12月に公開された第12作「男はつらいよ、私の寅さん」(マドンナ・岸恵子)で241万人でした。その後、超ロングランになりますが、140万人から220万人の人々が毎回この映画を楽しんでいます。48作までの観客動員数を合計しますと約7970万人、日本人口の2/3が見たことになります。そして、これから海外で本格上映です。

      寅さんを見る理由作家の井上ひさし監修の「寅さん大全」の本の中で、人々はなぜ四分の一世紀もの間、このシリーズを倦むこともなく観てきたのか、その理由の一部を掲載します。
「寅さんは、一種の自由人で好きなときに好きなところへ行くことができる。成人男子の7割前後が給料生活者、給料と引きかえに自由を束縛されている。だから身軽な寅さんに憧れ、彼を観るために映画館に出かけてしまうのだ」 「渥美清の演技がまたすばらしい。渥美が寅さんか、寅さんが渥美か、どちらがほんとか分からないぐらいすばらしい」 「どちらがほんとか分からないようにするために、彼はこの25年間、出演をほとんどこの映画1本に絞ってきた。そこが偉いね。」 「彼のその誠実さが当然、寅さんにもにじみだし、お客さんは寅さんを信用する」 「寅さんと妹さくらとの情愛にいつも打たれる」 「マドンナが毎回、変わるのが楽しみ」 「そのマドンナもそのときそのときの旬の女優が選ばれるので、楽しさが2倍にも3倍にもなる」 「寅さんに妙に向学心があるのがおもしろい」 「万事金の世の中に人の情けが生きていて、それがうれしくてほっとする」   
理由をあげれば、際限がありません。まったく同感です。

私が学んだ宣教神学校のN先生は、寅さんの研究(?)をしっかりとやっておられます。神学校の授業でその学びの成果を披露してくださいました。特に、話し方についての先生の研究は教えられること大、とても面白い学びでした。先日お会いした時、寅さん映画のニュープリントのお話をすると、教会の関係者の中にも寅さん研究者(?)が多いことをお聞きしました。
  
     キリストにあってバカになる
寅さんより教えられた「バカになる」ことについて考えてみますと、私たちクリスチャンにもあてはまることが多いと思われます。職場、学校、地域の中を見渡してみると、なんとなく人望のある人を見出すことが出来ます。その人は利口ぶっている人ではなく、バカぶっている人・バカになっている人ではないでしょうか。本人がそのことを意識してなくて、自然体のままかもしれません。その人と話すと暖かみを感じ、親しみを感じます。その人のまわりにはいつのまにか人が集まり、会話も楽しくはずみます。私たちクリスチャンも小利口に生きるのではなく、バカになって生きることが必要であると教えられます。教会は競争社会ではありませんので、あるがままの自分で飾らずに生きていきたい。一人一人は、それほど立派でもなければ賢くもない。パウロのキリストにかける情熱、生き方を見ると、よくもあんなことが出来るなと思われることが多くあります。この事は私が生涯やることとして、神様から示され取り組むことだ!バカになって取り組むだ!主なる神様にかける情熱を持って、小利口に生きるのではなく、キリストにあってバカになり「明るく、やわらかく、愉快に」生きたいと願います。

「もし、あなたがたの中で、自分は頭が良いなどと考える者がいたら、そんな愚かな考えはかなぐり捨てて、ばかになるがよい。というのは、この世の知恵などは、神の御前では実につまらないものである。」(現代訳、Ⅰコリント3章18-19節)

2008年10月4日    小坂圭吾