2007年6月6日水曜日

地域住民への架け橋(1)

         感動するイベント
教会に来て本当に感動したと言われるイベントに、お葬式があります。先日90歳の教会員のおばあちゃんが天に召され前夜式が終わった時、未信者の親族の方々より、その流れと内容に感動されたお話をいただきました。葬式では、それなりの覚悟で教会に来て、堅くて重厚で、人生について死後の世界について深く考えさせられ、教会こそ解決を与えてくれるのではないかと示唆されるのです。何人かの知人は、この5年間にこれがきっかけで教会に行くようになり、クリスチャンになりました。未信者の方々は、それなりの覚悟で教会に行き、整然とした流れとそれなりの内容――福音にも触れ、居眠りもすることなく1時間足らずをすごし、感動を受けるのです。だらだらしたところは、まったくありません。

日常の教会は、この葬儀における活動の素晴らしい本質を捉えて、今の教会活動のスタイルを変える必要があるのではないでしょうか?教会に行こうと思わない人々がいっぱいなのですから、教会に行こうと覚悟をしなくても、とにかく何かイベントがあるので入ってみようと思える仕掛けが必要です。そうでないと、敷居が高くてとても教会などには入ってきません。せっかく礼拝に来たのだけど、その流れや時間配分やテンポに問題があり、メッセージを聞くと居眠りを始める人が次々と出て、いつか半分の人々が寝ているとか、新しい人が来られても2度と来ないぞと決心して帰る人がいるとしたら、それは悲しいことです。私たちの外にいる人々に目をしっかりと向け、人々を呼び込み定着させるには、重要なポイントがいくつかあります。教会に行こうと覚悟をしなくても、とにかく何かイベントがあるので入ってみようと思える仕掛け、「地域住民への架け橋的なイベントを企画する」ことが必要です。外側から内側へと成長させていく出発点は、ここから始まるのです。このことについて、具体的に考えてみましょう。
  
       地域住民への架け橋的なイベント
4年ほど前のサドルバック教会で開催された「目的主導型教会カンファレンス」の中で、アメリカ東海岸の教会が、次のような「架け橋的なイベント」の紹介をされました。その教会のすぐ近くに大きな公園があり、その一角には、犬を連れて散歩する人々がたくさん集まるところがありました。その人々に、教会として何かアプローチする方法はないかと思案したところ、犬に水をあげたらどうかという案が出て、早速それを実行しました。集まった犬に水をやりながら飼い主とお話をし、やがて教会へと案内をするのです。このイベントによって、多くの地域の人々を教会へお招きすることになったのです。私も地域を散歩すると、犬を連れた多くの人々と出会いますが、近所のコーヒーショップの入り口に「犬に水とパンくずを差し上げます!」と書いてあるのを見て「なるほど、水はキーポイントだ」と納得しました。

多くの教会では、「チャペルコンサート」なるものを企画されていると思います。いろいろなチャペルコンサートがありますが、埼玉県のある教会を訪問した帰りにいただいたCD、それは「唱歌のふるさとを訪ねて――秋のチャペルコンサート」録音のCDでした。素敵なしおり、内容説明もしっかりしており、懐かしい唱歌が次々と出てきます。教会学校から中高科、そして大人にいたるまで、さぞかし1年間の練習を重ね地域の人々へのご披露も兼ねてのコンサートであろうと推察しました。その教会は、空気のきれいな田園風景の素晴らしい場所にあり、地域の子どもから大人まで呼び込むにはすばらしいプログラムで、自分たちも楽しみながら、地域の新しい方々も呼び込む企画です。コンサートといっても、よく練られたプログラムで質の高さをも感じさせられました。
 
都会の教会では、コーヒー好きな日本人に合わせた企画も面白いようです。教会のロビーや食堂を工夫して、あるいは礼拝堂のいすを一部片付けてコーヒーを提供していくというものです。都会の教会の中で、このことに成功している教会もいくつか見聞きするようになりました。もう10年以上も前の話、教会で喫茶店を始めたのですが、どうも思うように人が集まらず、閉鎖した話を聞きました。よく考えてみましたら、ターゲットをどこにするか?また、毎日やっても人がどれほど集まるのか調査が必要です。それに対して、ターゲットを子ども連れのお母さんにしぼり、その人たちが来れそうな曜日と時間にかぎりコーヒーとお菓子を提供するというもの、あるいは礼拝に来た人々にターゲットをしぼり、月に何回か日曜日の午後に交わりの場を提供するもの等があります。日曜日の午後は、そのような場があれば、礼拝に来られなくてもコーヒータイムだけなら来る方もいらっしゃるでしょうか。マーケテイングの基本ですね。
 
「地域住民への架け橋的なイベントを企画する」ことは、地域で起こっていることやニーズに注目し、地域住民の方々の立場に立って架け橋になることはないかと考えてみることです。今まで自分たちの教会でやっていることを、地域住民の方々の立場で、少し視点を変えて見直してみると良い架け橋が見つかることでしょう。私はペットを飼っていませんが、いまや日本全国大変なペットブームですね。散歩してみて驚きますが、ここにも何かヒントがあるかも知れません。

2007年6月5日     小坂圭吾     (PDキーワード:外側から内側へ)