2007年7月24日火曜日

目的を考える(続き)

   神様から与えられた目的私たちは「目的を考える」ことが苦手です、と前回のレポートで書きました。「人生の目的は何か?」と思いをめぐらす人は、どれ程あるでしょうか?私の場合は、幸いにも、大学時代にこのことを考える機会に恵まれました。そして、ビジネス時代には、“人を大切にし育てる”ことの強い企業風土の中で仕事をし鍛えられ、目的、目標を考えることについて、十分過ぎるほど勉強させられました。企業理念、目的、目標、方策、原理原則そしてプロセスということが、企業経営にとってどんな意味を持つかを学びました。実に、企業では、このことを徹底して考えていくのです。一方で、企業経営あるいはマネジメントと教会経営とは共通なことが多くあり、教会はなぜその良い点を導入しないのかと若いときから疑問を持ちつつも時間が流れていました。10年ほど前に、「健康な教会へのかぎ(The Purpose Driven Church)」(いのちのことば社)という本が出てぜひ読むようにと紹介され、読んで驚きとともに、「まさにそうだ」と拍手する気持ちでした。

この本の著者は、皆さん良くご存知のアメリカ・サドルバック教会のリック・ウォーレン牧師です。彼は、サウスウェスタン・バプテスト神学校を卒業後、開拓伝道を開始し、全くのゼロから二十数年間で二万人強を擁する教会に成長させました。彼は、教会を建て上げていくに当たって、聖書を徹底的に調べまず教会の目的(存在目的)を明確にしました。それは、神の命令であり、神様から与えられた教会の目的(5つの目的)です。その適用を具体的にどのようにするのか(方策)、目標、原理原則及びプロセスをはっきりさせることで、神に祝福された教会形成をすることができると分かりやすく提示しています。教会のすべての働きに「目的を持って取り組む」「鍵はバランスである」ことを強調しています。キリストが教会を建てられた存在目的、本来の目的に立つ教会を目指すことを主眼とし、バランスが健康をもたらし、健康が成長をもたらす“健康な教会のモデル”をはっきりと示しています。聖書的な原則に基づいてビジョン、目的・目標、方策、原理原則、プロセス等々について、リック・ウォーレン牧師が語っておられることは、ビジネスで当たり前と思われるますが、彼は、このことを聖書から学び取り、教会形成に適用していることに驚かされました。教会を建て上げていく上で基本となるアプローチは、教会であろうとビジネスであろうとその本質においては、適用可能だということだと思います。そして、昨今のビジネスにおける大切なアプローチ、考え方が、聖書からきていることが多いのも驚かされます。さらに、アメリカ文化の中で、自分たちが実験して成功したこと、失敗したことから多くの教訓を提示し、紹介するというこの姿勢には、ビジネスに携わられた方は、特に共感を覚えられるのではないでしょうか?

                             目的とバランス教会の目的は、「礼拝」「交わり」「弟子づくり」「ミニストリー」「伝道」の5つですが、重要なキーワードは、「目的そして鍵はバランス」です。教会としては、一つ一つの目的について目標を定めて取り組み、この5つを“バランスよく取り組む”ことが重要な鍵です。意図的に5つの目的をバランスよく取り組むのでなければ、必ずや牧師が一番情熱を傾ける目的もしくは関心の高い目的が強調されるのです。ですから、意図して戦略を考え、バランスを保つことが重要です。長い教会生活を振り返って見ますと、教会が活発で前進をしている時は、かなりバランスが良いことが思い出されます。辛くて忍耐を要した時代は、明らかにバランスが崩れているのです。一度バランスを崩しますと、それを回復するにはかなりのエネルギーが必要です。

ある教会の研修会に招かれたときに、“目的とバランス”のお話をしました。そして、出席されたリーダーの方々全員に「5つの目的の中で、自分の教会で強い部分はどこですか?」とお尋ねしました。一人当たり2つくらい答えてくださり(多い人3つ)、全体的には、かなり良い結果が感じられました。最後に、教会役員、牧師に答えていただきました。教会役員、牧師の立場では、リーダーの方々が答えられたことに同感と思うことと、少し違いがあるなと思ったことがきっとあったことでしょう。後で気が付いたことですが、その教会でいくつかのグループに別れて、5つの目的について教会の評価表(5段階評価)を作っていただくと良かったのかなと思いました。それを見れば、今後の指針として役立つのではないかと思います。その教会を知っている知人から、「あの教会は、かなりバランスの良い教会だよ!」と聞いていましたので、教会リーダーの方々の反応からもそうだろうなと感じさせられ、さらに一層バランスの取れた教会になるようにと祈らされました。
「すべてのもの、ありとあらゆるもの、天にあるものも地にあるものも、目に見えるものも見えないものもすべて‐‐‐いっさいのものがキリストのうちに始まり、キリストの中にその目的を見出すのです。」(コロサイ人への手紙1:16 メッセージ訳)

2007年7月25日     小坂圭吾     (PDキーワード:目的とバランス)