2014年10月12日日曜日

感謝「生涯現役」




カワセミに着目

昨年の秋、近くの公園(大きな池あり)に出かけた時、家人が見つけてくれたカワセミの写真を撮影することが出来ました。全長1517cmくらいで、くちばしは長く、魚取りが上手な鳥です。渓流や池沼などを見下ろす木の枝に静かにとまり、水中の獲物をとったり、水面をかすめて一直線に速く飛んだりしています。羽色が鮮やかで、その美しさは多くの人々に注目されています。
 
 先日、知人のUさん(ジェネシスジャパン)から面白いお話を聞きました。新幹線500系の先端部は、カワセミのくちばしの形状をヒントに作られたとのことです。カワセミは、時速100km以上で水中に飛び込んで魚を捕まえる。新幹線の車両開発・技術者たちは、この事に着目をして、大掛かりな実験装置とスーパーコンピューターを駆使しシミュレーションをしました。その結果、カワセミのくちばしの形状が騒音と空気抵抗を著しく減らす理想的な形であることが分かりました。創造主の造られた自然界に見られる凄い技術をヒントに、多くの技術開発が行われています。

社会的現役

東海道新幹線が昭和39年に開業して、新幹線は開業50周年を迎えました。財務省は、これを記念した百円硬貨を来年3月めどに発行する運びです。東海道など各地域の新幹線の代表的な車両をあしらった5種類の硬貨のデザインを公開(東海道新幹線のN700A、山陽新幹線の500系、東北新幹線のE5系等々)、代表的な車両を斜め前から見たデザインとなっています。鉄道ファンには、心わくわくの事で、これからもますます“現役”として大活躍をする新幹線です。

 ところで“現役”というと、はじめてお会いする方に「まだ現役ですか?」とよく聞かれます。「年相応にガタがきてメインテナンスに努めながら、現役です。」とお答えしています。人間は、生きている限りは生命生活の「現役」であり、生涯現役というのは、当たり前の話ではないかと思います。多くの方が尋ねられる「まだ現役ですか?」という意味は、“会社的現役”であるかどうかという意味ではないかと思われます。

私の場合は、第一の現役の途中に第二の現役である“パーパス・ドリブン・ジャパン”設立をサドルバック教会より要請され、きりの良い所で第一の現役を退任し、第二の現役に切り替わりました。息子と二人で会社を起こし自分で現場を作り、現役です。会社的現役と言っても良いかと思いますが、社会的に役立つ現場を持ち、主体的に自分の行動を決めて働いていますので、“社会的現役”だと申し上げます。そう考えれば、ボランテイアもNPOに参加している人も、皆さん現役です。収入のあるなしは、関係ないのです。
      



     生涯現役である!

2014年のノーベル物理学賞が日本人3人に授与されたニュースは、日本にとってたいへん勇気づけられる受賞です。少ない電力で明るく青色に光る発行ダイオード(LED)の発明と実用化に貢献した業績が、高く評価されたものです。赤崎勇氏(名城大学教授)は、85歳ながら大学の教授として現役として現場を持っておられ、ほんとにお元気そうです。

 ところで、女性は「現役でなくなる」とはあまり言いませんね。家人に聞きましたら、「生涯現役でしょう!」とあっさりと言われてしまいした。彼女たちは、組織とは関係なく、「日常生活」という現場を担っています。子&孫育て、趣味、仕事、家事すべてが現場ですから、その現場は生涯自分の現場だと、多くの女性方が思っているのではないでしょうか?それは、生きることそのものが現役なのです。

生涯現役であることについては、男性は、スイッチを切り替えないとなかなかそのように考えられないでしょうか?私も、先輩方の後ろ姿や神学校の学長のお話を聞きながら、生涯現役でありたいものだと考えるようになりました。ですから、ガタの来ている体にもメインテナンスをきちんとして、それなりに活動したいと思っています。そして、どんなことでもよいので現場を持って、社会に貢献していくことを願っています。生活者に戻って、地域も家族も私の現場として、責任を持って仕切っていく事が大切ではないでしょうか?そして、誰もが生涯現役であると言える国でありたいと願っています。

2014年10月12日    小坂圭吾