2013年11月27日水曜日

感謝 「人生まさかの坂」



     JFK

 20世紀最大の悲劇と言えば、ジョン・F・ケネデイ元大統領(JFK)が米テキサス州ダラスで暗殺された事ではないでしょうか。米国に夢・希望と目標を語った若き46歳の大統領が、凶弾に倒れて50年を迎えます。ケネデイ元大統領が暗殺された時に5歳であった長女キャロライン氏は、父の願いを意識し駐日大使を希望、このほど着任され、ほぼ同時期になりました。

 ケネデイ元大統領の死は、米国の人々にとっていや世界中の多くの人々にとって、“まさかの悲しい出来事”でした。先日、このJFKの悲劇についてのドキュメンタリーを見ました。米CBSテレビのアンカーマン、ウオルター・クロンカイト氏が、JFK死亡の公式発表を伝える映像ですが、同氏が悲しみのあまり眼鏡を外し、しばし沈黙する場面は、私たちの涙を誘うばかりでなく、まっさかさまの悲劇へと落とし込まれた感情が湧き上がります。

     人生3つの坂

20年以上も前、ビジネス時代に異動となったある時に取引先の社長さんが来社され、贈る言葉として「人生3つの坂」について教えて下さいました。1つ目の坂は万事が好調で何をやってもうまくいく“上り坂”、2つ目は不調に陥って思い通りにならない“下り坂”、3つ目はまさかの坂“です。このまさかの坂は急に出現してくるもので、巧妙な落とし穴のように油断している時ばかりでなく、慎重に構えている時にでも起こる予測不可能なものです。突然現れて、決定的なダメージを与えてしまうことがあります。

 3か月ほど前ですが、この“まさかの坂”が出現しました。8月下旬、車で富士山の麓にあるゴルフ場に出かけました。ほんとに蒸し暑い1日で、プレーの途中(午後)に雷がはげしく鳴り一時プレーを1時間ほど中断、そこで切り上げる人もありました。我々の組は最後までプレーして、最後にお風呂に入って汗を流し気持よくすっきり。さあ帰ろうと駐車場からゆっくりと車を出します。車が数メートル動いて止まり、「え、どうしたの!」何が起こったのか分かりません。

心がへこむ

ブレーキをかけて降りてみますと、バンパーが明らかに凹んで(へこんで)いる!「え、なぜ、こんな所にポールがあるの?まさか??」半信半疑ですが、ぶつかって凹んだことは事実です。林に囲まれた駐車場の一角ですが、駐車場に入る時も出るときもポールには気が付かず、自分にがっかり?心が凹みました。全くお粗末な失敗話で、夕方で暗くなりつつあり、さあ帰ろうとホッとして注意が散漫になり目の前が見えなかったのでしょう。

「なんと間抜けなことを」としばらく自問自答が続き、数カ月間反芻しました。「ホッと緊張から解放される直前あるいは直後について最も気をつけよう」がありますが、車でドライブばかりでなく、人生の様々の場面でも言える教訓であろうかと思います。「もう大丈夫!」という気のゆるみがすべてを台無しにするのです。
 
“まさかの事”と言えば、昨年“鼠径(そけい)ヘルニア(大人の脱腸)”になった時、医者に言われるまでは全く分からず、言われて「え!」言葉が出ませんでした。そのほかに何度か“まさかの出来事”に遭遇しましたが、主なる神様に守られ対処してきました。

これからも“まさかの出来事”は、多かれ少なかれ起こります。実に予測不可能なことなので防ぐ手立ては大変難しく、何が起きても慌てない心備えをしておくことが肝要でしょう。家人に言わせれば「今回の出来事は、感謝な教訓!」と言っておりますが、忘れっぽい私にとっては、忘れることの出来ない教訓だと神に感謝しています。しかも私にとっては、大きな坂ではなく小さい坂でありながら、大きな教訓として下さったことにも。

2013年11月27日     小坂圭吾