2016年7月14日木曜日

今を生きる「幸福な人生の秘密」


水戸・偕楽園
     ハーバード大学で75年にわたる研究

今年5月にNHK・Eテレで、スーパープレゼンテーション(TED)のプログラムで「史上最長の研究が明かす幸福の人生の秘密」が放映され、たいへん興味深く視聴しました。

この研究は、ハーバード大学が1938年にボストンにおいて始めたもので、“健康で幸福に生きるには、人生どんな選択をするとそのようになるのか?”約700人余の男性について、追跡調査を75年にわたって行い、結論を得たものです。

研究対象は、第1のグループにハーバード大学の学生たち、第2のグループにボストンの最貧困層の青少年たちで、当時19歳前後だった人たちですが、今生きているのは90歳代の人々が60人で、その多くは子供たち2000人が研究の対象になっています。

当時の若者たちは、工場労働者、医者や弁護士、アルコール中毒症になった人、大統領になった人、貧困層からトップに上り詰めた人、逆に転落した人と色々です。本人に会って話を聞き、健康状態を調べ、子供たちの話や夫婦の会話も録音するそうです。

    秘訣は良い人間関係

私たちにとって最も関心の高いテーマですが、史上最長の研究プロジェクトの責任者は第4代になっており、今も年間1億円の予算を投じて、情熱と忍耐をもって追跡調査・研究がおこなわれています。

この75年にわたる研究からわかったことは、“良い人間関係が、幸せと健康の秘訣である”ということです。若い人たちは、富とか名声とか成功することが一番だと考えますが、そうではないのです。

得られた教訓の第1は、人とつながりがある事が良いことで、孤独は良くないということです。第2に、身近な人との暖かい人間関係を築いていく人間関係の質が大切であり、それが私たちを守り、老化を防止してくれるのです。第3に、良い人間関係は、体だけでなく脳を守ってくれる作用があるとのことです。口喧嘩をすることがあっても、頼れる深い人間関係がある事が良いのです。

つながっていると感じる

この研究の結果を聞きながら、まさに聖書が教えている通りなのだ!との実感を強めました。良い人間関係と言っても様々ですが、社会的なつながりの数が多いというよりも、人間関係の中でどう感じるか、「つながっていると感じるかどうか」が重要なのです。

家族、教会(特にスモールグループの人々)、友人、地域の人々、仕事関係の人々の中で、人間関係がつながっていると感じられる良い人間関係を築いていくことが大切です。多くの数を必要とするよりも、身近な人々と質の高いつながり、関係を結ぶことが重要です。

私は、現在ある教会で、「人生で一番大切なこと~心がつながるコミュニテイをめざして~」(リック・ウオレン著、PDJ)をテキストにして、毎月1回スモールグループでご一緒に学び、分かち合いをしています。この学びの狙いは、互いの交わりを深め、心がつながる関係をしっかり築いていくことにあります。

それは、「共に(一緒に)」という言葉をあげることができますが、「共に(一緒に)生きる」ということであり、良いつながりを持って生きることです。人が集まるところには、問題もついてまわるのが人生の現実ですが、人とのかかわりの中でこそ、最もよく成長でき、体も心も脳も守られるのです。

十字架を思い描いてみますと、これを書く時は、まず縦の線(神と人との関係)を書き、次に横の線(人と人との関係)を書きます。人と人との関係が良い関係であるためには、神との関係が良くなければ実現できません。

神の愛をいただいた事によって、相手をそのまま受け入れ、問題があっても赦し受け入れ、良いつながりを築いていきたいと願っています。聖書の福音の要点「愛、受け入れ、赦し」を実践出来ればと、祈りつつ取り組んでいます。

2016714日    小坂圭吾