2007年5月25日金曜日

外側から内側へ

         ウオーキング 
先日の朝日新聞夕刊に“ゆっくりと・・・車を捨てて歩け歩け”の記事がありました。歩いていると多かれ少なかれ人と出会います。季節の変化が手に取るようにわかり、木々や草花の美しさにふれることができ、出会う人と会話が始まります。一方、車に乗ると人は障害物になるのです。勝手なものです。内閣府によると、ウオーキング人口は4400万人で、運動・スポーツ人口の60%を占めるそうです。私も数年前から意識してウオーキングに励んでおり、最近はできるだけ車を捨てて歩く努力をしております。自分なりのウオーキングコースも作り、20分コース、30-40分、60分と色々と組んであり、10分ごとに公園(大小いろいろ)を必ず1箇所回るようにしています。先月から、NHKの「増田明美のウオーキング&ジョギング入門」が始まり、それを見ながら磨きをかけております。

先日もウオーキングの途中に近所の方と出会って立ち話が始まりました。いろいろな話の中で、いつしか宗教の話になり、その方がカトリックの信者の方であることを知りました。「日本は、本当に伝道が難しいよね。今でも旧約聖書はカトリック、新約聖書がプロテスタントという人がいてね。ほんとうに聖書の土台のない国ですね」とお話をしてくださいました。ウオーキングは、最近問題になっているメタボリック・シンドローム(代謝症候群)に対する予防対策として注目されているばかりか、体の健康にもとても良い運動です。

          日本の教会の現状
神の目的に導かれる健康な人生・健康な教会形成の視点でこの日本の教会を振り返って見ますと、何か少しずつ変わろうとしていることが感じられます。「時代は変わっているのだから、何も変わっていないことは、後退しているのと同じだ」と言った人があります。日本の教会は、堅い(KA)、気難しい(KI)、暗い(KU)と「相変わらず、今でも3Kだ」という人もいます。教会情報センター(CIS)の調査報告によれば、2000年あたりから教会は減り続けています。この10数年の世の中の変わりようはまさに劇的です。IT技術の進歩により、さまざまな情報が瞬時に伝わるようになり、世界は狭くなりました。にもかかわらず、日本の多くの教会が、かつて宣教師が運んできた教会の概念や型を踏襲し、決められた教会形成のあり方を頑なに守り続けています。伝統的な教会があること自体は、とても良いことですし、色々な型の教会があってしかるべきことです。しかし、世の中は激しく変わっている中で、昔と少しも変わらず、時代の要請に応えられないような“内向きな教会形成”では、人々のニーズに応えることが出来ません。知らず知らずのうちに1%未満の中だけの内向きな視点で、外にいる99%強の人々に目が向いてないとの指摘があります。そのことに十分留意して取り組み、多くの人々を呼び込んで大きく変化してきている教会もあります。

神様が求めておられることは何か?目的は何か?その神の目的に焦点を合わせていくことが求められているのではないでしょうか。自分たちのことを中心に考えるのではなく、99%の人々にいつも目を向けて、彼らを教会の中にいかに迎え入れるのかを真剣に考えることこそ、イエス様のお心ではないでしょうか。

          外側から内側へ
健康な教会形成の基本戦略と考え方の重要なキーワードについてお話をしましょう。わかりやすいところから入りますと、5重の同心円モデルに示されている「外側から内側へ」の考え方です。出発点は一番外に示された地域住民を教会へと導くことです。そして段階を追って彼らを訓練し、ミニストリーと伝道に携わる中枢的な教会員へと育てていきます。大まかに言えば、教会は次に示す5つの異なるグループに属する人々と関係を持っているのです。

・ 地域住民: 教会周辺の住民のこと。教会には全く出席しないか、時々出席する程度。
・ 群衆: 教会には定期的に出席するが、教会員ではない人々のこと。
・ 会衆: 教会員として、神の家族とキリストへの献身を表明している人々のこと。
・ 献身的なメンバー: 霊的成長に献身している教会員のこと。
・ 核となるメンバー: 教会のミニストリーや伝道といった活動に活発に関わる教会員のこと。

それぞれのグループが独自の必要、動機、問題、そして何よりも潜在的な可能性を持っています。地域住民を群衆に、群衆を会衆に、会衆を神の働き人に変えていくという教会の働きをサポートすることが、私たちの役目です。この同心円を見れば、教会員の中に献身度の違いがあることが分かります。また、献身度の違いに応じて教会員のニーズがどのように変化するのか、献身度を高めるためにどのようなステップを踏めばよいのかもわかるでしょう。



COMMUNITY 地域住民
CROWD  群衆
CONGREGATION 会衆
COMMITTED 献身的なメンバー
CORE 核となるメンバー
 




教会を「内側から外側」ではなく、「外側から内側」に向かって成長させていくのです。当たり前のことと思われるでしょうが、実際にはなかなか実践できていないのが現実ではないでしょうか。前にも述べましたが、私たちの目が「内向きな目」になっているのをまず変える必要があります。敷居が高いと言われる教会を、「外からの目」を持って見直してみることが重要です。外から初めて教会に来られる人々の目を持って見直しますと、なるほど教会とは特殊な世界であることに驚かされることがあります。教会堂を与えられ、長年そこで教会活動をしていると、いつの間にか地域住民の方々が入りにくい、何か恐る恐る入るような場所になってしまうのです。

2007年5月15日      小坂圭吾     (PDキーワード:外側から内側へ)

2007年5月20日日曜日

始めに&これから「PDJレポート始めます!」

中国の驚くべき発展に刺激され!
 先月(3月)、中国・上海に行きました。5年ぶりの中国訪問ですが、中国の素晴らしい経済発展、そして驚くばかりの教会の進展を見聞きしてきました。中国のクリスチャン人口は7000万人とも 1億人とも言われ、今や世界一のクリスチャン大国です。中国へ宣教師を派遣する時代ではなく、中国から世界へ宣教師を派遣する時代になっています。神様のなさる驚くべき御業を帰国してからも見聞きし、実に多くの刺激を受けました。そして、「私は何をなすべきか?」と考えておりました。

そんな折、春の風に誘われ、久しぶりに江ノ島・鎌倉海岸に散策に出かけました。この3月に第4版を発行したインクの香りもまだある「人生を導く5つの目的」も抱えて・・・。1年ぶりに最初からきちんと読み直してみると、新たなことについて教えられます。第一日目にこんな箇所があります。「私は何になりたいのか、私は何をなすべきか、私の目標は、私の願いは・・・等々、質問の中心にはいつも『自分』が居座っているのです。しかし、自分を中心に考えていても、人生の目標は決して見えてきません」。いつの間にか自分が居座っていることに気づかされました。思わず心にぐさりと入ってきて、少し垢(あか)の付いていたのが洗われ、自分の視点だけに陥っていたことを悔い改めました。心新たにして、PD運動の新しい展開を祈らされています。

      冷たい石の上でも3年座っていれば・・・
この日本で、PD運動(神の目的に導かれる健康な人生・健康な教会形成を目指す運動)が始まってから3年が経過しました。「石の上にも3年」ということわざが頭に浮かびます。その意味は、「冷たい石の上でも3年座っていれば、温まって居心地も良くなる。始めの3年の辛抱が肝心である」ということです。日本は、世界でも最も宣教の難しい地であると言われ続けてきました。PD運動に携わりながら、確かにその通りであると思う反面、神の導きによって3年が経ち、少しずつ温まってきたように思います。全国の多くの教会、そして様々な方々が書籍やテキストを用いて下さり、またブログやホームページなどでPDについて紹介をして下さっています。健康な人生・健康な教会の考え方に従って取り組もうとしておられる方々が、多くいらっしゃることに励ましを受けています。

この3年の間に、以下のように書籍・教材を出版してきました。①「5つの目的」シリーズ(6点刊行)②「回復の道」シリーズ(3点刊行)③「クリスチャンライフシリーズ(クラス101-401)」(準備中で5月より順次刊行)④リック・ウォレン牧師のメッセージシリーズ(1点刊行で順次継続)また、年に一度は「健康な教会セミナー」を開催し、"目的主導型の教会形成の基本戦略と考え方"について学ぶセミナーを提供させていただいております。今年は"目的主導型の説教作りの要点"に関するセミナーも提供させていただきました。これからも引き続き、日本の教会支援のためにセミナーを開催していきたいと願っております。

      重要なキーワードと展開事例の紹介を
ところで、「神の目的に導かれた健康な人生・健康な教会形成」の基本的な考え方、戦略は、日本の教会にとって重要な聖書的考え方であると確信しています。リック・ウォレン牧師も言っておられる通り、「この考え方は聖書に基づくもので、この2000年間語られ続けてきたものであり、何ら新しいものではありません」。しかしながら、実際にPDの考え方に触れますと、「ああそうなんだ」と目からうろこの落ちるような思いにさせられます。4年目に入り、これから「PDJレポート」を皆さんにお送りしようと企画しましたが、その目的は以下の通りです。
①健康な教会形成の考え方の中で、その基本戦略と考え方の重要なキーワードを確認し、それについて、日本の教会の中の展開事例を紹介する。良い事例もあれば、失敗事例もあり、そのポイントをご一緒に考えます。
②これらのことを通して、健康な人生・教会形成に向けて励んでおられる諸教会の励ましになればと願っております。

次回から、具体的なお話に入っていきますが、良い事例、失敗事例等について、ご意見があればPDJ宛にお送りください。

2007年4月15日     PDJ代表 小坂圭吾