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| 箱根・仙石原 すすき |
庭のコンポスター
今年の夏の厳しい暑さには、庭の木々もずいぶん苦労したようです。例年に比べて成長はやや鈍く、水やりも十分でなかったのか、芝の育ちもあまり良くありませんでした。
今年一番苦労したのは、庭のコンポスター(生ごみを入れて堆肥を作る容器)にやってくるネズミでした。春ごろから何度も駆除の仕掛けをしてかなり減らしたものの、秋になるとまた被害が出始めました。
そこで、コンポスターの場所を変え、容器を少し深く埋め込んで入りにくくする工夫をし、ネズミ騒動はこれで一段落となりました。
ここ横浜に引っ越してきて40年以上になります。ごみの分別の一環として、我が家では妻の提案で、生ごみを庭のコンポスターで堆肥化することに取り組み始めました。
二十数年前から、コンポスターを月に一度ほど庭のあちこちに移動させています。そのおかげで庭の土壌は非常に良くなり、土を掘るとミミズなどが顔を出します。
孫たちはそれを見て、喜んだり怖がったりしています。
大震災はいつ?
これからの日本を考えると、私たちはどのように生き抜いていくのかが大きな関心事となります。GDP世界第4位の日本も、やがてインドに抜かれて第5位に転落するといわれています。
大震災も、いつ起きてもおかしくない状況です。
そのような中で一番の課題は、大きな意味での「自衛力」ですが、経済力もそれに深く関係してきます。大震災の発生確率が示されても、「今日明日ではないだろう」と思ってしまい、なかなか実感できないのが現実です。
次に起こる大震災は、復興のために多大なお金や食料、資源を必要とし、簡単には対処できない可能性があります。
資源価格の上昇や、世界的な食糧難の報告もあります。特に日本は自給力が低く、大地震で物流が滞れば、物資が手に入らず深刻な事態となるでしょう。
食料自給率を上げる
政治レベルでの対応は政府に任せるとして、私たちができることは、少しでも自給率を上げること、特に食料自給率を高めることです。
日本の食料自給率は40%以下といわれ、残りの60%以上は外国からの輸入に頼っています。買い物に行けば、日本産以外の食材が数多く並んでいます。
だからこそ、少しでも自分の手で食べ物を育ててみることには大きな価値があります。
結果として、私たちは長年、コンポスターで堆肥を作りながら、毎年、果物3種類、野菜6〜7種類を育てています。
家庭菜園では少量でも、収穫した果物や野菜の味は格別で、「自分で育てた」という実感が大きな励みになります。
食べ物を無駄にしない意識が自然と育ち、暮らし全体が丁寧になります。自給自足には至らなくても、暮らしの中でできる範囲の「自給力」を積み重ねていくことが、これからの時代を生きる知恵となるでしょう。
神が成長させてくださる
「私が植えて、アポロが水を注ぎました。しかし、成長させたのは神です。」
(Ⅰコリント 3:6 新改訳)
小さな庭で堆肥をつくり、少しずつ実っていく果物や野菜を見ると、神さまが日々の暮らしにどれほど静かな恵みを注いでくださっているかを実感します。
今年は暑さのため少し手を抜き、新たに植えたものはなく、果物3種、野菜3種の収穫でした。
ゆず(大豊作)、びわとみかん(まずまずの収穫)、シソ(種が多く落ち、今年は大豊作)、オカワカメ(多年草で豊作)、うこん(初冬収穫後に芋を植え付け、豊作)といった具合です。
大量に収穫できるゆずやシソは、近隣や教会関係者に配り、喜ばれています。私たちの働きは小さくても、その小ささを用いて神さまが大きく育ててくださいました。
世界を見渡すと不安の多い時代ですが、だからこそ、自分の暮らしを整え、土に触れて手を動かすことが、心の落ち着きにつながります。
家庭菜園や堆肥づくりは、環境を守るだけでなく、生活を丁寧に受け止め直す時間にもなります。
土いじりは健康にも良く、自給への小さな一歩は備えであり、また、与えられた地と日々を感謝して受け止める信仰の姿でもあります。
この先も、神の恵みに信頼しつつ、今日できる小さな働きを一つずつ続けていきたいと思います。
2025年11月12日 小坂圭吾


