2012年12月15日土曜日

感謝「2012年クリスマスを迎えて」

   はじめてのクリスマス   
今年もクリスマスを迎えました。はじめてのクリスマスと言えば、予備校生の時に、京都で下宿をしていた時のことを思い出します。同じ下宿先の予備校のクラスメイトが、クリスマスに教会に誘ってくれたのです。小さな家の教会でしたが、それがはじめて行った教会でした。

集会の内容は何も覚えていませんが、その後、大学に入ってキリスト者学生会(KGK)へと導かれ、現在の教会に行くようになり、信仰に導かれました。せいぜい7-8人くらいの集まりだったと思いますが、あの小さな教会の温かさだけは、今でも記憶に残っています。

思い起こしてみれば、受験勉強で忙しい中、よくぞクラスメイトは私を教会に誘い、私もまた教会に行ったものだと思います。自分では意識していませんでしたが、何かを求める気持ちが教会に足を向けさせたのでしょう。そのときの導きは、「いっしょに光の中を生きよう」という神様の呼びかけだったのかもしれません。

       温かい交わり
あの小さな教会については、その夜の光景と温かい交わりだけが記憶に残っています。7-8人程度のクリスマス礼拝でしたが、小さな交わりだったからこそ、温かく迎えてもらえたという記憶が残っているのかもしれません。長い間、大きな教会の中で奉仕をしてきて、今一番感じていることは、どんなに教会の規模が大きくなっても、「やはり小さな交わりが一番だね!」ということです。年を重ねるにつれて、その重要性をますます感じるようになりました。小さな交わりの中でなければ、本当のふれいあいや、絆を感じることはできないと思うからです。

     教会形成に大切な3つのこと
教会形成において大切なことを3つ上げるなら、次の3つを上げることができると思います。第1は「スモールグループの形成」、第2が「信仰生活の基礎づくり」、第3が「聖書理解を深める取り組み」です。PDJとしては、このことを念頭に置きながら、今日まで活動を展開してきました。

第1の「スモールグループの形成」については、PDJの設立当初から、「小さな交わりやスモールグループの活動を、書籍・教材・テキスト等の提供を通して支えていきたい」と願ってきました。必要なものはかなり整ってきたように思います。ほとんどの書籍や教材が、スモールグループでの使用を考えて編集されているからです。

来年の1月には、新刊「健康なスモールグループが教会を育てる」を発売致します。12年間で300グループから3500グループに成長したサドルバック教会のスモールグループの秘訣がわかる貴重な一冊です。スモールグループ、ハウス・チャーチ、家庭集会等を担当しておられる方は、ぜひ手に取ってみてください。

 第2の「信仰生活の基礎づくり」については、クリスチャンライフシリーズとして、
 ・クラス101「神の家族にようこそ」
 ・クラス201「霊的成長をもたらす4つの習慣」
 ・クラス301「あなたの賜物が輝く5つのステップ」
 ・クラス401「人生の使命を発見する」
という4冊シリーズを完結させました。これは、信仰の基礎でもあり、使い方によっては上級編あるいは応用編にもなり得ます。もちろん、「人生を導く5つの目的」が、信仰の基礎づくりとその後の成長を導く主軸であることは言うまでもありません。

第3の「聖書理解を深める取り組み」ですが、これはいわば神学的な学びに通じるところがあります。これまでに出版してきた本を使っても、聖書理解を深めることはできますが、聖書の体系的な理解を促す本として、「信仰の土台(仮題)」(全4冊シリーズ)を順次刊行していくことになりました。サドルバック教会のトム・ホラディ師とケイ・ウォレン師(リック・ウオレン師夫人)による共著で、聖書の基本教理を11のテーマに分けて学ぶ、キリスト教信仰の知的理解を促す学びです。実生活への適用を重視しているという意味で、新しいタイプのテキストです。

     ここ数年の出版について
昨年から今年にかけてどんな本を出したのかとお尋ねもありますので、新刊および再刷りとして刊行したリストを下記に記します。

① 「勇気ある無条件降伏~神にすべてを明け渡す時~)」(2011年3月)
本書は、リック・ウォレン師夫人のケイ・ウォレン師による著作です。彼女が自身の半生を通して学んだこと、キリスト教の真髄ともいうべきものが書かれています。幼い頃のトラウマの克服、乳がんとの戦いなど、著者の真実な告白に心を打たれる一冊です。

②「人生の使命を発見する(クラス401)」 (2011年11月)
クリスチャンライフシリーズの第4弾です。だれでも、その人でなければ語れない世界に一つだけのライフ・メッセージ(人生の物語)を持っています。自分の証しと福音を携えて出て行く者となるために必要な準備を、順を追って学びます。

再刷りとしては、下記を発行しました。
③「回復への道」(3刷、2011年1月)
神が意図された自分を取り戻していくための「回復への道」を、山上の説教「八つの幸い」の教えから学びます。グループそして個人で多くの方々に用いられていることを感謝しています。このリカバリープログラムは、勝利ある人生を生き抜くためには、実に重要であると一層感じています。先日も、香港の日本人読者からクリスマスカードが届き、本書の感想を寄せていただきました。出版以来、多くの方々から根強い支持をいただいている一冊です。

④「回復の喜びー参加者ガイド②」(2刷、2012年9月)
回復と成長のためのスモールグループ用テキストの2冊目です。

⑤「神の家族へようこそ(クラス101)」(新装・2刷、2012年9月)
表紙のデザインと本文の書体を一新し、より親しみやすいテキストに生まれ変わりました。教会や信仰についての基本的なポイントをわかりやすく説明した教会生活入門です。クリスチャンライフシリーズは、教会形成の骨組みをつくる教材でもあり、さらに多くの教会で用いられることを願っております。

この1年を振り返ると、予想もしないことがやはり色々とありました。その恵みを思いながら、主に感謝をささげます。これから寒さも厳しくなる折、クリスマスシーズンで色々とお忙しいこともあり、心身共に主に守られて過ごされますようにお祈りいたします。  

2012年待降節に
                          パーパス・ドリブン・ジャパン(PDJ)
                              代表 小坂圭吾

2012年11月16日金曜日

健康余話 「今、何を後悔していますか?(2)」


                  体を鍛える
スポーツで体を鍛えると言えば、私の場合、特にこれと言ったこともやらずに大人になりました。30代の後半になり、子供の水泳に付き合っていたのがきっかけで水泳をやり始めました。平泳ぎだけは何とか泳げますが、泳ぐ形があまり良くなく、様になりません。体を鍛えるということでは、今はウオーキングが主力で、水泳は月に数回くらい行く程度です。

水泳で温水プールに行きますと、不思議だね?と思うことがいくつかあります。まず、温水プールの天井がほんとに高い、なぜでしょうか?理由は、天井を高くして水蒸気を室内に溜めないようにしているのですね。何故なら、温水プールは風呂と同じで雑菌が繁殖しやすい環境ですから、暖かい水蒸気を出来るだけ高い天井まで飛ばす事で、室内の衛生管理をしやすくしているからだそうです。

二つ目は、区営や市営などのプールに行くと、「サウナ」でなく「採暖室」があります。なぜこんなに低い温度なのか?とずっと疑っていました。私が行く温水プールの採暖室は60℃前後で、プールで冷えた体を温めたり、おしゃべりを楽しむ部屋です。冷えた体を温めるために作ったにしては、温度が少しぬるすぎます。しかし、60℃で15分も入っていれば、汗がジワリと出て体に良いことが分かってきました。実は、先ほど書きました石原結實先生の本にも、このように体を温めるのは良い方法だと書いてあり、水泳の仲間にもそのことをお話して、互いに泳いで採暖室で温まろうと励みになっています。

     腹八分目にする
後悔のトップ20の第4、5番目を見ると「腹八分目にする」「間食を控える」ことが出ています。甘いものが好きで間食もする私は、肥満体質ではなく、その一歩手前の体質で何とか踏み留まっています。食事の内容に注意することは、妻のおかげで十分に守られていますが、間食の習慣がなかなか止められず、夜の間食を止めるよう妻から何度も言われました。

今年の春に、健康保険組合からの1通のお知らせが来ました。人間ドックを含む特定健診を受けた人に『健康チャレンジ』とのお知らせです。メタボリックシンドロームではなくても、腹囲が基準を超えているので、「健康チャレンジ」をするようにとのお勧めです。日頃から、もう少し体重を減らした方が良いとの認識は十分に持っていましたので、保健指導を受けることにしました。チャレンジ目標として体重を1・5KG減らすこと、そのためには、間食を半分に減らすこと、週に3回の運動(ウオーキング、水泳、ストレッチ)を継続することにしたのです。

6か月間実行して目標を何とか達成。やれやれ!長い間続いていた夜の間食は無くなり、昼食は半分近くに減らしました。結果、摂取カロリーが減り体重も腹囲もぐっとしまり、今も継続しています。私たちは、カロリー摂取量が多すぎると言われ、年とともにカロリーを制限し、食事の調節が必要になってきます。いかにバランスを考えて食事をするか、体に良いものを積極的に食べることが問われるのです。

     健康の4要素
私たちが健康で過ごしていくための要素を考えてみると、
(イ)適度な運動、(ロ)正しい食事、(ハ)心の平安、(ニ)十分な睡眠 
が必要と言われています。

(イ)と(ロ)については、すでに“後悔のトップ20”の上位にあることを述べました。“後悔のトップ20”の第6位以下20位までを見ますと、(ハ)心の平安についての項目としては、ストレスの解消法を見つけておけばよかった/よく笑い、くよくよ悩まず過ごせばよかった/悩み事を相談できる相手を見つけておけばよかった、があがっています。(ニ)十分な睡眠については、日本人の平均睡眠時間を見ますと、それなりに休めているからでしょうか、睡眠時間が不足だったと言うような項目はありません。質と言う点から見れば、早寝早起きをすればよかった/不規則な生活をしなければよかったが該当するように思います。

総じて、シニアの方々の経験(本音)から言えば、健康の4要素にわたってバランスよく留意していく事を警告していると思われます。そんなにバランス良くと言われても、簡単に出来そうになく、今できることを精いっぱいやっていくしかありません。あの時ああしておけば良かった!?ということは、出来れば避けたいものではあります。あの時は最善の判断をしたはずが、人生を振り返る年齢になれば、あるいはその過ちに気づくかもしれません。最悪もまた最善に導かれるプロセスとも言うことが出来ます。「後悔は先に立たず」とは言いますが、今気が付いたその時に、心から悔い改めてやり直しても、決して遅いことはないと信じます。

「悔い改めにふさわしい行いをするように。」(使徒26:20 )

2012年11月16日    小坂圭吾

2012年10月29日月曜日

健康余話 「今、何を後悔していますか?(1)」


   リタイア前にやるべき事
年をとって自分の人生を振り返り、“後悔することは少ない方がいい”のは言うまでもありません。シニアの方々、55歳から74歳の男女1000人を対象に、雑誌プレジデント(PRESIDENNT、2012.11.12号、ビジネス雑誌)が「今、何を後悔していますか?」と尋ねるアンケートを実施しました。3つのジャンルの中で「健康編」に関して、興味深い記事があり、一部を引用させていただきます。人生経験の豊かなシニアの方々の意見ですので、若い方にも聞くに値する事柄が並んでおります。

「健康編」後悔トップ20
①歯の定期検査を受ければよかった
②スポーツなどで体を鍛えればよかった
③日頃からよく歩けばよかった
④腹八分を守り暴飲暴食をしなければよかった
⑤間食を控えればよかった

以下、頭髪の手入れをする、たばこをやめる、ストレスの解消法をみつける、よく笑い悩まず過ごす、不規則な生活をしない、なんでも相談できる医師を見つける等が続きます。最初から5位をはじめ20位までを見ると、どれも今まで色々な場面で教えられ、言い続けられてきた事柄が並んでいます。健康を気遣っている事柄です。

                  歯を大事にする
後悔のトップにある事柄は、多くの方が「歯を大事にすればよかった」ということです。歯が悪いと食事もおいしくいただくことが出来ず、固いものは敬遠となってしまいます。歯の健康を保つことは、長寿の秘訣だと言われます。

私も40歳代の半ばですが、勤務先の健康診断で歯の検査があり、歯科医の方からこっぴどく叱られた覚えがあります。「こんなに立派な歯なのに、歯石がついたままでほったらかし。このままだと歯周病にもなる。年に一度は歯医者に行って、歯の掃除をしてもらいなさい!」この時始めて、歯医者には定期的に行かないといけないのだと知りました。それ以来、毎年欠かさず歯医者に行き、検査とクリーニング、そして歯の磨き方を指導してもらっています。入れ歯は無くすべて自分の歯とはいえ、時には、虫歯のかぶせ物が正月にはずれたりして、突然難儀をすることもあります。

数カ月前にも、突然歯が痛くなりました。こんなことは、この20数年なかったこと。かかりつけの歯医者に行くと歯周病であることが、レントゲン写真をとりわかりました。何度か通い歯の磨き方も教わり直して、練り歯磨きも歯周病と歯槽膿漏の予防になる物に変えました。1か月ほどで良くなりましたが、練り歯磨きも適当ではなかったことや歯の磨き方も十分でないことがわかりました。痛い目に遭わないと、自己流になっていたのを直そうとしない自分だとわかったのです。


                   体を温める   
後悔の2番目と3番目は、スポーツで体を鍛える、日頃からよく歩くとかの運動の必要性について語ってくれています。先日、漢方薬と食事療法によるユニークな医療で知られるイシハラクリニック院長・石原結實先生の著「保温力~冷えをとれば病気は治る!」(PHP新書)を読みました。この本の中で、“低体温こそが万病の原因となる”ことを説いておられます。体温が平熱よりも1度上昇すると、免疫力は5-6倍にもなるという。「体を温める」生活習慣で、病気の色々な症状も改善するというのです。昔は、子どもの体温は37度近く、大人は36.5~36.8度くらいだったのですが、今日では高い人でも36.2~36.3度、多くの人が35度台だそうです。この50年の間に日本人の体温は、1度近く低下したのです。なぜこのように日本人は低体温になったのでしょうか?それは、第一に身体を動かさなくなったことが原因だと言っておられます。

考えるまでもなく、私たちの生活は、体を使わないことがほんとに多くなっています。車の生活をはじめとして、エレベーターを使う、ちょっと重いと宅急便で運ぶ、便利な家電製品を使って家事をする、何かとリモコンを使って動かない等々、とにかく体を使うことが少ないのです。ですから、意識して体を使う事、手軽なやり方として日頃からよく歩く事に努めなければならいことが分かります。

冒険家の三浦雄一郎さんが、満80歳を期に再度エベレスト登頂を目指して、体の鍛錬(内容は、私たちにはまねができませんが)をしておられる様子をNHKテレビで見ました。その中で、彼は、とにかく歩く事に週3度くらい心がけておられます。わざわざ歩く事をするのは大変なので、出かけることがある時にそのチャンスを生かして長く歩く事をしておられます。

これを良いヒントにさせていただき、私もウオーキングに心がけています。体を動かすことによって、体温を上げることが出来ます。ちなみに、私の体温はと言えば、36.3~36.5℃くらいで、心して体を動かすので少し高い方かもしれません。   (続く)

2012年10月29日    小坂圭吾

2012年9月24日月曜日

今を生きる 「星の旅人たち」


  やっと実現!
先日、映画「星の旅人たち」を見に行きました。映画関係の仕事をしている知人から「素晴らしい映画ですよ!」と紹介され、見に行く予定が二回も流れてしまいました。DVDになってから見ようと思いつつも、何か気になり「まだどこかで上映しているかもしれない?」とヤフーの映画欄で検索するとまだ上映しており、やっと実現しました。あれから4か月になり、もう関東地方では最後の上映かな?と思います。

ミニシアターの川崎市アートセンターですが、5年前から川崎市の運営でなされていますが、特筆すべき作品だけを上映しているようです。ミニシアターですが、なかなかきれいで、当日は、席の半分が埋まっていました。男性が多いのではと思いきや、7割が女性でした。ちなみにヤフーの映画欄では、この映画のユーザー評価は、5点満点評価で4.2点の高得点です。

     ★マーク5つ
 期待を裏切ることのない、とても素晴らしい映画でした。私は、★マーク5つを付けました。初老の男、アメリカ人眼科医のトムは、妻が死んでから疎遠になっていた一人息子ダニエルの旅先での事故死の知らせに、途方に暮れる。息子は、サンテイアゴ・デ・コンポステーラ巡礼の初日に、嵐に巻き込まれ、不慮の死を遂げる。息子・ダニエルは、何を想い、旅に出る決意をしたのか?トムは、父としてその真意を確かめるべく、亡き息子のバックパックを背にサンテイアゴ・デ・コンポステーラへと旅立つのである。
サンテイアゴ・デ・コンポステーラには、聖ヤコブ(スペイン語でサンティアゴ)の遺骸があるとされ、エルサレムやローマと並ぶキリスト教3大聖地のひとつ。フランス各地からからピレネー山脈を越えてスペイン北部を通るサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路は、800kmの道のり、1200年の歴史、年間10万人が全世界から巡礼の旅に訪れる。“コンポステーラ”とは、「星の平原」と言う意味があり、世界でも珍しい世界遺産の一つである。

     巡礼の旅とは?
巡礼と聞くと、四国八十八ケ寺巡礼の旅をまず思い出し、そのイメージは何かつらい、苦しい禁欲的なイメージがあります。しかし、この巡礼路は、旅そのものが楽しく、景色の美しさ、旧跡の素晴らしさ、食べ物も良いものがあり、ふれあいの楽しさがあふれます。宿泊はと言えば、一泊15ユーロ(約1500円)のびっしり並んだベッドで寝る安宿、頼りない野宿もあれば、カードを使った豪華ホテルの宿泊もある。主人公を入れた4人連れは、一人また一人と増えていくのがなかなかよく、私も観客として道連れに入れてもらい、800kmの巡礼路を旅しました。

それにしても、普通のウオーキングだと10分で1000歩、一歩が約0.7メートルですから1時間で4.2キロメートル、1日7時間ですと約30キロメートル弱になります。このように計算しますと約1か月を要す道のりで、楽な道ではないことが分かります。

     旅の目的
4人の道連れは、実に個性的で面白い。旅の動機や目的は人それぞれで、ある人はダイエットの旅、もう一人は禁煙のための旅、さらに一人はスランプから脱するための旅。そして主人公は、息子の思いを探るために“自分探しの旅”である。この4人の出会いの様子、会話、ハップニング、時にぶつかり合う様子、他の巡礼の方々とのふれあい等が実に興味深いのです。主人公は、息子が旅しようとした巡礼の地を息子のリュックと遺灰を背負い歩く事を決意、そして実行に移しますが、行く先々で息子の存在を感じながら、巡礼者の人々との交流を得て、いつしか息子との関係を見つめ直していくのです。

 サンティアゴまでの長い道のりは、世界遺産が舞台でロケーションも素晴らしく、心に響く見応えがあります。目的地・サンティアゴ・デ・コンポステーラ の教会での静かな盛り上がり、ラストシーンも余韻が残ります。映画の途中、何度か涙が出るのを抑えられませんでした。

見終わってから、もう一度すぐにでも見たいものだと思わされました。こんなことを感じた映画は、ほとんどありません。映画の流れは、驚くほど良く覚えているので、それを確かめる必要はありません。もう一度見ながら、自分に向き合って、我が人生の問い直し、見つめ直しをしたいのかもしれません。今こうして書くことを通して、それをさせていただいています。

映画を見終って帰りの途中、近所にお住いのカトリック教会信徒のSさんご夫婦にお会いしました。今こんな映画を見て来たことをお話すると、ご夫婦は、20年ほど前に同じ道ではないけれど、似たような場所を20日間かけて旅行された由!「素晴らしいところだし、君も若いのだから、ぜひ行ってらっしゃい!」と励まされました。同じ旅をするにしても、このような巡礼の旅もまた良いものかなと思っています。

2012年9月24日    小坂圭吾

2012年8月25日土曜日

祈り「リトリート」

     ラジオ体操
夏休みには、近所の公園や小学校では、朝のラジオ体操が行われています。ラジオ体操の後で、子供たちが列を作り出席カードに印を押してもらう光景を見ました。思えば、小学校の頃には、ラジオ体操の出席印をもらうため、眠い目をこすりながら必死で朝のラジオ体操をしたものです。

 このラジオ体操は、有酸素運動としての効果が高いそうで、消費カロリーは早歩きのウオーキングとほぼ同じ。正しいフォームで行うと、全身で数百か所の筋肉をまんべんなく動かすことが出来る。美容効果がテレビや雑誌、書籍で取り上げられ、80年以上もの歴史を持つラジオ体操が、今人気を呼んでいるとのこと。私も座り仕事を続けて疲れると、ラジオ体操をします。このラジオ体操、1か月ぶりに第一、第二体操を正しく、しっかり力を入れて出来るようになりました。やっとできるようになったぞ!と何かしら、うれしい気持ちです。

     鼠径(そけい)ヘルニア
実は2か月前の6月下旬、下腹部から足の付け根(そけい部)あたりに柔らかい腫れを感じ、1週間ほどして医者に行きました。即座に「鼠径(そけい)ヘルニアで、手術が必要です。手術しないで治す方法はありません。」と言われる。このことについてのパンフレット(これには驚き?!)を見せられながら、手術方法等の説明を受ける。7月中旬に予定していたカナダ行きの重要なスケジュールもやむなく中止!この病気は、一般に“脱腸”と言われる良性の病気で、成人に多く年間約15万人もの手術件数があり、8割が男性だそうです。

3週間後に手術と決まり、69歳にして初めての手術と入院です。入院翌日の朝、約2時間半の手術があり、手術台に上がり1分もしないうちに全身麻酔が効き何もわからず!手術が終わり部屋にまで運ばれるが、とにかく動けない!力が出ないのか、痛いのか、その両方であろうが動けない。痛みがどれくらいだと痛いと言うべきかわからず、夜になるまでは、やや我慢である。トイレに行くのも痛みと力が出ないので大変!夜寝る前に、少し強い痛み止めおよび睡眠導入剤を処方してもらい、やっと十分に眠れる。

3日目の朝、起き上がるのがまた一苦労、もう1日入院延長かな?と思いました。しかるに主治医の先生は、「小坂さん、経過は順調です。本日退院でいいですよ!」「??!!」そうは言われても動けそうにないのだがー。「これぞ、外科医の先生らしいな」と心の中で笑いました。病院に残るよりも家で寝る方が良く眠れるであろうと、退院を決意しました。

     リトリート!
「手術後しばらくは、ある意味では“リトリート”(retreat:黙想、日々の雑事から解放され、自然の中で心を洗い、生きることを感じる事)のようなものだな!」と考えていました。されど、手術後の1週間は痛みがあって、リトリートではありません。ですが、入院そして手術と言う環境、入院している人々、手術後の回復力、神様が備えられた体の自然治癒力がこれほどあるということ、その他色々と実体験でわかりました。回復は、一日毎いや数時間毎に良くなっていく事もわかります。

手術前から読む予定にしていた本「海からの贈り物」(米国の飛行士チャールズ・リンドバーグ妻アン・リンドバーグ著、新潮文庫)を自宅のベッドの上で、静かに読みました。5人の子供の母親である彼女が、ひととき家庭を離れて海辺の家を借り、浜辺で貝殻を拾って持ち帰り、毎夜、貝殻と思索にふけるのです。まさに“リトリート”です。

ここで彼女が発見したことは、浜辺で拾った貝殻の簡素な美しさから、自分の生活を簡易にして気を散らす幾つかを切り捨てる必要があると気づくのです。今までの生活から完全に離れる訳にはいかないが、何か良い解決策はないか?

発見したことは、周りに空間があって初めて美しいものは生きる。一本の木は空を背景にして意味を生じ、音楽でも一つの音はその前後の沈黙によって生かされる。ろうそくの光は、夜に包まれて花を咲かせる。自分の生活に、空間があまりにも不足して意味がない、つまり美しくないのだと解る。何もしないでいられる時間は少ないし、自分一人でいられる場所がない。仕事や持ち物や会うべき人が、多すぎる。やりがいのある仕事、面白い人、貴重な持ち物が多すぎる。重要なことも我々の生活を邪魔する、我々は宝物を持ちすぎている。彼女は、そこで教えられたことを“島の教訓”とよんで、それを忘れないようにいくつかの貝殻を持ち帰って、なるべく質素に生活をすることを目指すのです。

以上のようなことに、私は共感を覚えました。この1か月間強は、自分の生活に素晴らしい空間を持つことが出来、生活を簡素にする習慣が出来ました。これから、動きすぎや宝の持ちすぎをしないように、美しい海の小石でも書斎に飾って、教訓にしたいと思っています。感謝な“鼠径ヘルニア手術&リトリート”でした。

2012年8月25日    小坂圭吾