
電車に乗って閉口したことがあります。今タバコを吸ってきたばかりの男性が、お隣に座られタバコくさいのに困りました。タバコは、まったく口にしたこともなく苦手です。新幹線に乗って喫煙車を通らざる得ないとき、タバコの煙でドンよりと濁った車内を移動するときの嫌な気分??喫煙者の多くの方が“喫煙車の車内はいやだね”と告白しています。
先月、久しぶりに喫茶店で知人と会いました。昔からのヘビースモーカーの彼ですので、仕方なく喫煙室で付き合いました。彼は、1時間半タバコが手から離れません。喫煙室での付き合いは、厳しかったですね。帰宅してから、下着からすべてを着替えしました。今度こそは、禁煙室にしようと提案するつもりです。多くの方が禁煙をしたいと思いながらも、出来ずにいるのだと思います。タバコが健康に良いと思っている方は無く、でも止められないのです。
壁画「最後の晩餐」 レオナルド・ダ・ヴィンチの名作「最後の晩餐」の壁画は、イタリアのミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツイエ教会にあります。この壁画は、420 x 910 cm の巨大壁画ですが、20年余かけて10年ほど前に修復が完了しました。主イエス様が、弟子たちに対して「あなた方のうちのひとりが、わたしを裏切ろうとしている」と言われた瞬間を表しています。この名作は、多くの方が複写絵でご覧になったことと思います。(写真は、“ウイキペデイア・フリー百科事典”より掲載)
その壁画の部屋には、一枚の写真が掛かっていて、一面の瓦礫の中に、この壁画だけが建っている写真です。案内人の話によると「第2次世界大戦の空襲に遭い、一帯は破壊されましたが、この壁画だけは無事だったのです。」1943年8月、ファシスト政権ムッソリーニに対抗したアメリカ軍が、ミラノを空爆し町全体の約半分近くの建造物が全壊しました。実は、壁画のある建物は、爆撃を案じた修道士たちがミラノ市民と力を合わせて、この壁画の周りに土嚢を積み上げて保護し、奇跡的に残ったのです。「市民たちは『

壊れたら終わりか? 目に見えるものは、やがて朽ち、壊れていくのが世の常です。故意に壊そうとしないまでも間違って壊したり、破壊と創造のようにスクラップ&ビルドというようなこともあります。目に見えるものはいつか壊され、あるいは天変地異で埋もれてしまいます。考古学の発展により発掘され、あるいは、壊れかけたものを修復することで、そこに新しい発見がなされることも多くあるでしょう。最近では“環境を大切に”ということで、壊れかけても修理して使うことが多くなり、喜ばしい限りです。
私たちの人生においては、どうでしょうか?大失敗をしたり、人間関係が壊れたり、取り返しのつかないことをしたら、「俺の人生は終わりだ。もう立ち上がれない」と思ってしまいます。そこまで大きな失敗とは言わなくても「あの事だけは悔やまれてならない」と思うことはないでしょうか?誰しもが、多かれ少なかれ、悪習慣の経験、苦く悲しい経験、つらい経験、痛みの経験をしていることでしょう。幸いにもまだそのような経験がなくても、失敗を恐れてなかなか思い切ったことができない人もいるかもしれません。失敗の人生、壊れた人生、どん底の人生など、深い傷や痛みを、聖書は“実に宝だ”と教えています。聖書では、「弱さ」と訳されていますが、自分の弱さを知り、その弱さを素直に認める人を神さまは好んで用いられます。神さまが用いられるのは、私たちの長所だけだと考えがちですが、むしろ、私たちの弱さを用いられるのです。聖書の原理の中には、この世の原理とは全く逆なことが沢山あります。これもそのひとつではでしょうか?神が不完全な人を用いられるという事実は、何という心強い励ましでしょうか。
「『わたしはあなたと共にいる。それで十分ではないか。わたしの力は弱い人にこそ、最もよく現れるのだから。』今では、私は、自分の弱さを喜んで誇ります。」(コリントⅡ12:9 リビングバイブル)
2010年1月20日 小坂圭吾