2024年4月19日金曜日

コーヒーブレイク「体も心もリフォームする」

江川せせらぎ緑道

リフォームすれば使える!

横浜に住んで40年余、近所を歩いて10分以内に家を建てる槌(つち)の音が止むことがなく、どこかで新しい家が建てられています。最初は、全くの更地に新築の家が建てられていきましたが、20年ほど前は、まだ築10年余りの家が壊されて新築されていきました。

事情は色々ありもったいない!ことでしたが、T不動産が買い取って周囲の家との調和も考えリフォームしたのは、幸いでした。ここ10年前からは、家も古くなり全て取り壊し、敷地が広いと数件の新築の家が建っていきます。

近所の家の様子も良くわかっていますので、まだまだ使えるし、庭も立派なので残してほしいなと思ったものです。

私の家は簡易鉄骨のヘーベルハウスで40年余になり、建設当時に会社の先輩のアドバイスで、地震火事に強い家にしたのが幸いでした。最初の頃、メーカーは30年保証と言っていましたが、今ではロングライフ50年保証と言い出しましたが、もっと持つであろうと思われます。

不具合なところがきわめて少なく、リフォームや部分補修をしつつ長く使えると思われます。

聖書キリスト教会・東京教会(練馬区)
教会も大リフォーム

私の所属する聖書キリスト教会・東京教会(東京都練馬区豊玉北)は、会堂建築としては日本でも画期的な大リフォームした教会(鉄筋7階建て)です。1991年、東京都より神田川改修工事のために、高田馬場にある教会堂を移転するよう要請を受けました。

会堂建設後まだ10年しか経過していない400人規模の会堂でしたが、都の事業に協力するしかなく、長老会では「これは主からの新たなるチャレンジ」と信仰によって受け止め、移転を決めました。

千人規模の会堂建設をイメージしながら土地探し、建物がない更地を2年余探しましたが見つからず、そんな中で、練馬区に“7階建て文明堂カステラ工場”が売りに出ました。

建設関係の責任者や大手設計事務所の方々に調査をお願いしたら「これは素晴らしい物件、見違えるような教会にリニューアル出来る!」との話でしたので、購入に踏み切りました。

これと並行して、模範をとなる千人教会を見学すべく韓国、アメリカをそれぞれ10数箇所ずつ訪問しました。アメリカ・ロスアンゼルスの教会では、礼拝堂に入ると頭の上には空調のダクト等のパイプが天井を這っていて、何と倉庫を大リニューアルして作った教会で、このような例もあるのだと教えられました。

購入したカステラ工場を教会にリニューアルというのは、柱と壁だけを残して後はすべて剥ぎ取り、日本でも前例のない「工場を多くの人が出入りする教会堂に改築する」ことです。増築不可という厳しい制約の中での改修工事で、技術陣の方々も知恵を絞り、色々な問題を乗り越えてきました。

工事中に建設責任者の方々が、異口同音に言われた言葉があります。「不思議なことが色々と起きる。難しいことの解決は、いわば、自動ドアを踏むとドアがスーと開くように不思議と道が開かれ、解決されていく。」

背後にあって、神様がすべてを支配され、導いておられた何よりの証左です。

7階に設置した十字架塔
大切なものを残して~BELCA賞の受賞

建設関係者の方々から、「旧会堂の十字架の塔は、取り壊すのはもったいないので使い道を考えましょう」と提案をいただき、7階の屋上に設置し夜にライトアップし十字架が見えるようにしました。旧会堂からの歴史の継承でもあります。

この様にして完成した聖書キリスト教会・東京教会は、ビルのロングライフ化に寄与した優れた改修・復元を実施した既存の建築物として、特に優秀なものの関係者が表彰される日本でも栄誉ある“BELCA賞”(第8回ベストリフォーム部門)を頂きました。

BELCA賞

まったく用途の異なる建築物に改修したことは、審査員の方々の驚きでした。私たちとしては、古いものを復元し教会として十分な働きが出来る建物になったことは、何よりの喜びです。

このリニューアルした建物、教会堂は、いまや地域においては世の光としての働きをしてくれます。

その地域において教会としての諸活動があればこそですが、新しい役割に復元した建物が、歴史を背負いつつ復活の主を証ししてくれます。

あれから30年も経過し、更にリフォームをしましたので、長く使うことが出来ます。

体も心もリフォームする

家も教会も長く大切に使うには、リフォームがしながらに使い込むことになりますが、私たちの体もまたしかりです。歳を重ねて長い間使ってきますと、体のあちこちにガタが来ることは避けられません。

人生100年時代、私たちが健康な毎日を過ごすためには、正しい食事 ②十分な睡眠 適度な運動 の3つの要素が大切だと言われます。お互いが関連しあっているため、どれかひとつだけを意識すればいい訳ではなく、バランスが大切です。

これらのことをバランス良くやってないと中高年になりますとあちこちにガタが来ますが、その都度適切なメインテナンスは必要です。医者の世話になるメインテナンスもありますが、自分で工夫して良き体をいかに維持していくかです。

読売新聞の取材帳シリーズ異次元の長寿という連載記事を読むまでもなく、元気な高齢者の秘訣は、良く動き、良く運動し、良く食べる、人と交流することが強調されているかと思います。

これらのことを考え合わせますと、3要素に加えて④心の平安を加えたいと思います。元気な体は心からというまでもなく、心の持ち方がとても重要なことです。

例えば、常にやりがいのあることを持っていることは心の平安につながり、心がしっかりして居れば、常に前に向かって進む、問題を乗り越えていくことができるのです。体を大切にする以上に心を豊かに整えることです。

長い人生の旅路に背負ってきた悪習慣、心の傷、赦せないこと等の心の垢を、リフォームすることが必要です。一生かけて、心のリフォーム~~悪習慣を断つ、心の傷をいやす、赦す心に変えられる等をしていくことです。

私は、大学生の時信仰に入って50年以上になりますが、聖書と祈りの生活を積み重ねるうちに、人生の様々なまさかの事柄も乗り越えさせていただき、心の垢もそれなりにリフォームされて感謝しています。

リフォームされつつも、また垢がたまってくることも現実です。聖書のみ言葉を毎日読み、神に祈りを重ねつつ、主なる神様に新たなる力と心を与えられ、新しいことにチャレンジしていく日々でありたいと願っています。

私たちの肉体は次第に衰えていくが、私たちのうちにある本当の命は日ごと に新しくされ、若やいでいく。」(第二コリント 4:16  現代訳聖書)  

2024年4月19日 小坂圭吾