2019年8月6日火曜日

コーヒーブレイク「映画『最高の人生の見つけ方』を見る」


カナダ、ジョフリー・レイクス
思わずほろっと!

映画については、NHKのBS放送で過去の良い映画が次々に上映され、楽しみに見ています。そんな中で、何度か見た映画に『最高の人生の見つけ方』(2007年、アメリカ)があります。

タイトルに引き付けられ、映画評を読んで、初回だけ映画館に足を運びました。いつもコーヒーとクッキーを持って映画館に入ります。我が人生を振り返りつつ、感動と共に涙もろく泣きました。あらすじは、次の通りです。

実業家で行儀の悪い大富豪エドワード(俳優:ジャック・ニコルソン)と、教養人で家族のために地道に働いてきた自動車整備工カーター(俳優:モーガン・フリーマン)は、癌に侵されて同じ病室で知りあった。

共に余命は6か月。カーターの枕元には、いつも妻がいるが、エドワードの枕元には世界最高のコーヒーを淹れる器具と忠実な秘書だけである。あるとき、カーターが棺桶(かんおけ)に入る前にやっておきたい夢を作り(棺桶リストと言う)、エドワードがそれを見て付け加えた。

二人は意気投合し、やりたいことをすべてやり尽くそうと決意し、無謀にも病院を脱出する。やりたいことリストを手に、ピラミッド、ヒマラヤを周り、レーシングカーでの対決やスカイダイビングに挑戦等々、さまざまなことに挑戦する。

お金は、大富豪エドワードが負担し、死を意識した初老男性2人が、残りの人生を生き生きと駆け抜ける。感動ストーリーをさわやかなユーモアで描き、2人の友情とすがすがしい笑顔に、思わずほろっとさせられます。

一番大切なことは?

夢の実行が次々と実現する過程で、二人の人生観が見えてきます。大富豪エドワードは、4度も結婚し巨額の利益を一代で築いた行儀の悪い人物として、一方の自動車整備工カーターは、物静かで夢をあきらめたが、神様を敬い家族を大事にする信仰心のある人として、同じ運命を持った二人が旅する中、掛け値なしの自分をさらけ出す。

そんな中で、二人はかけがえのない友情を築いていくのです。それを通して、それぞれが心から求めているもの、一番大切なことについて見出し、再確認していくのです。

「最高の人生とは何か?」と考えたかどうかは分かりませんが、一番大切なことは、人とのきずな、家族・友達というお金では買えないものを得ることだということです。そこにこそ、心から生きている喜びを感じる場があるのです。
カナダ、ウイスラー・ビレッジ
心のふれあい

誰も「最高の人生」を送りたいと願っています。そのために、色々なことに精を出し、努力しています。毎日多忙な生活をしている私たちは、目先のやるべきこと生活に追われていることも現実です。

20代、30代、40代は、とにかく懸命に走っている自分の姿ですが、「どんな人生を送りたいの?」と聞いてみたいですね。30代、40代の私には、自信に溢れた答えが返ってきますが、その答えを聞いて、「欠けている事があるのでは?」と今なら質問することでしょう。

20~50代にかけて、一番欠けること、後回しにしがちなことは、「人との関係」です。「関係こそ人生の全てである」と聖書では述べています。とかく、人よりも物を重視している自分があります。

妻や子どもたちとの時間は見つけるようにしている、親に対しては時間を少しは割いている、他の人のために時間を作る努力をしているなど、沢山の仕事や用事と比較すると、低い優先順位に置かれ、生活のほんの一部に過ぎないのです。

その時間を仕方なく、後から無理やりスケジュールにいれているのが実情です。私の場合、それでも家族に対して配慮したと思いますが、「人生におけるもっとも重要なことは、関係である!」との考えは、残念ながらありませんでした。

50代後半になって、やっと目が開かれたのです。ある人が「本当の友達、何でも相談できる友が何人いますか?」と聞きました。この質問にはハッ!とさせられますね。妻との関係、子供との関係、親・兄弟との関係、友達との関係、仕事上の関係の中で、物を重視ではなく人を重視した関係、このための時間を割きたいと思います。 

「鉄で鉄を研ぐように、人の心も他の人の心との触れ合いによって成長する。」

(箴言27:17 現代訳) 

20198月6日    小坂圭吾