2013年8月28日水曜日

祈り 「バンクーバー・リトリート(3)」

 
                    魅力はバランス
 バンクーバーという街の最大の魅力は何か?それは「バランス」にあるのだろうと思います。私がバランスを好む、が故の評価かもしれません。 自然と街の調和、人種間での調和、新旧の調和、気候の調和のように思われます。

“自然と街の調和”では、すでに書きましたように海と山そして森・林がすぐ近くにあって、自然を身近に感じられ、うまく環境保護もされていて癒されます。“人種間での調和”と言えば、色々な人種が移り住み、カナダは移民国家ですので、自分が日本人であることをあまり意識しないように思いました。移民国家だけあって、外国の方にもとても親切だと言われ、あまり緊張感を持つこともなく過ごしました。

“新旧の調和”については、オリンピックの開催によって新しくなったところが多くありますが、街全体が新しいという感じではなく、それなりに古くまたそれなりに新しくきれいになって調和が感じられます。新しくなっても新しすぎない落ち着いた雰囲気が感じられ、都市作りの工夫なのでしょう。
 
"気候の調和”と言う意味は、夏は雨が少ないので乾燥して札幌のようにさわやかで、冬は東京よりも少し寒い程度で、人間に優しい気候ということです。ただ、冬は、日本の梅雨のように雨が多いようです。一般の住宅ではエアコンがあったかな?と思い出せないくらいで、自然の温度に適応して暮らせるのが、何よりです。

ということで、「バランス」のとれた美しい街バンクーバーです。可能であれば移住したいとも感じる方が多いと聞きますが、そこまでは心が動きませんが、毎年訪れたい所ではあります。


 バンクーバー島で
  旅の後半は、お隣のバンクーバー島にフェリーに乗って(7階建の大型フェリー、約100分)出かけました。島と言ってもその大きさは、四国のおよそ倍の広さです。知人にその大きさを教えられビックリ!(南北460kmにわたる由)。この島の周りには大小さまざまな島々が散らばり、外海から守られた静かな入り江や海峡、変化に富んだ海岸線に美しいビーチが多くあります。島と言えば、瀬戸内海を思い出しますが、それとはおおよそ異なりました。このバンクーバー島の南端に位置するビクトリアは、ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)の州都で、春から夏にかけて街中がお花であふれています。

バンクーバー島では3日間過ごしましたが、特筆すべきは、Nご夫妻のおもてなし上手です。宿泊は、Nご夫妻の知人の家が空いているので、2泊させていただきました(大きな家と庭です!)。観光ばかりでなく夕食は自宅に、昼食は近所のレストランに招いて下さいました。心をこめて接待してくださりほんとに感謝でした。
 
もてなしの素晴らしかったのはどんな点だったのか?と考えてみました。まずは、自然が素晴らしく、ゆったりした環境だったことが当然あげられます。食事はもちろんおいしくいただきましたが、これがポイントではなく、一番のポイントは、もてなして下さったご夫婦が、リラックスしていて緊張感を与えないことです。こちらは英語が堪能ではなくても、それなりに会話が出来て、ゆったりとした雰囲気の中で過ごせ、時間の経過を忘れるほどです。更に、ユーモアと笑顔が常にあることでしょうか?別に笑わせようとしていることはありませんが、何気なしに笑いを誘う雰囲気があるのですね。

  今までも公私にわたり色々とおもてなしを受けましたが、それ以上に心に残る素晴らしいおもてなしを受けました。今後の私たちのおもてなしの姿勢を、新たに教えられたひと時でした。ほんとに感謝な3日間、そしてバンクーバーへの旅でした。

 
2013年8月28日     小坂圭吾

2013年8月14日水曜日

祈り 「バンクーバー・リトリート(2)」

 
           
       山と海と空
 バンクーバーの特徴は、自然が多く人が少ないところです。すぐ近くに山あり海あり、そして公園ありゴルフ場あり、夏は空がきれいです。ダウンタウンのホテルの少し高い所から眺めると、これらの山、海、空が見え、朝は少し曇っているかなと思っていてもまもなく雲一つない晴天の一日となります。その空のきれいさがビルの窓に映り、ガラスから出来ているビル群に映えて綺麗で“ガラスのまち”と言われるのでしょう。

観光スポットはダウンタウンに集中していますが、買い物ならロブソン通り、とはいってもそんなに人は多くなく、のんびりと歩くだけでも良いものです。バンクーバー発祥の地・市内で最も古い場所・ギャスタウンは、土産を買うには手ごろな場所で、案内され少しばかりお土産を買いました。ここは、一時さびれてゴーストタウン化してしまい、再興計画によりバンクーバーを代表する観光地に変わりました。石畳のウオーター通りには蒸気時計があり、15分ごとに周囲に汽笛を響かせていますが、新旧がほどよく調和しているのもバンクーバーの良さでしょうか。

自然を満喫するならスタンレー・パーク、周囲の1方向だけが市街地に接し、他の方向は全て海に囲まれ素晴らしい雰囲気を醸し出しています。かつて散歩したことがあるニューヨークのセントラルパークよりも大きく、東京・日比谷公園の約25倍ですから、「これは、でかい!」と思った通りです。

 公園内にあるプロスペクト・ポイントからは、ノースバンクーバーに向かうライオンズゲートブリッジが良く見え、絶景ポイントです。バンクーバーを一望するには、この橋を渡り2010年冬季オリンピックの競技場にもなっているサイプレス山に登ると、バンクーバー全体を俯瞰することが出来ます。どうも高い所から見るのが好きな私は、この景色には満足でした。

  公園が多く大きいことに加えてゴルフ場も多く、市内には8ヵ所余もあります。車で20分も走ると行くことが出来、ゴルフ好きの人には天国です。私の知人は、仕事が終わって6時ごろから9時ごろまで(夏の日没は22時前くらい)、バッグを担いでゴルフ場が閉鎖されるまでプレーをする由。上手なこともあって、早く回ると18ホール周りきるとのことで(これはスピード違反、でも大丈夫!)、彼にとってはトレーニングであり、料金も安いとのことでした。

       QT(Quiet Time
   ところで、リトリートの意味ですが、国語辞書(大辞泉)によりますと” 撤退、避難、仕事や家庭などの日常生活を離れ、自分だけの時間や人間関係に浸る場所などを指す”と説明されています。バンクーバーに行くときは、リトリートと言うつもりはありませんでしたが、帰国してブログを書きながら、“これぞリトリートだった”と思うようになりました。 

 バンクーバーでの朝は、ともかくゆっくりしようと考えました。幸いなことに二人とも時差ボケもほとんどなく(それほど柔軟ではありませんがー)、早寝早起きで朝食が済みますと、夫婦二人でQT雑誌「リビングライフ」を使い家庭礼拝です。個人のQT(Quiet Time静思の時、デボーション)でも使っていましたが、少し前から家庭礼拝でも使い始めました。

 QTは、20数年前から「羊群」を通して訓練され、他のデボーション雑誌も幾つか使ったことがあります。今年のはじめ頃「リビングライフ」を贈呈していただき、試しに使ってみましたら、これがなかなかに素晴らしい。どんな点かと言えば、御言葉について福音的な解説を施し、それに対して自分で考えるように「黙想」と「適用」の質問を提示しています。これによって、御言葉を生活に結びつけてくれるのです。更に“私の黙想と適用”や“黙想エッセイ”が書かれており、その他にも色々と行き届いています。じっくりと取り組みますと、心が探られ霊的に整えられます。

 QT雑誌の重要ポイントは、御言葉を読みその個所について的確な「黙想」と「適用」の質問を提示してあるかどうかではないでしょうか。この的確な質問により静かに黙想して霊的な深みに導かれ、その日のスタートに元気が与えられます。一人ではなく二人でこのQTを持てたことが、素晴らしいリトリートになった要因の一つであっただろうと思います。

「ふたりでも三人でも、私の名において集まるところには、わたしもその中にいるからです。」(マタイ 18:20)

2013年8月13日     小坂圭吾