穂高連峰と梓川
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思考の癖(くせ)
私たちは誰しも、無くて七癖(ななくせ)と言われるほど癖を持っています。本人は気がつかなくても、まわりの人は分かるものです。では、“思考の癖”については、いかがでしょうか?
私たちが陥りやすいのが、何かを決めようという時、多くの人が「これだ!」と良い案に飛びつくことです。“衝動買いをした”というのは、このことですね。そこで一息入れて、何のために?目的は?他に良い案は無いだろうかと考えるのです。
前回、「食事のとり方を見れば、その人の人柄、健康状態等が分かる!」と言われると書きました。この意味は、賢い人は、食事という場面でちょっと考え何に気をつけて食べるかを決める、それが自然に身についているということでしょうか。食事をすることは、どれほど健康に影響を与えるかを知っていますので、その事を考えて行動しているのです。
何のために?
何をやるにしても、「何のために」という明確な目的意識をもって行動するか、行き当たりばったりの行動をするかによって、その人の人生や仕事は、大きく明暗を分かつことになります。食事位自由でよいのではないかと思われるでしょうが、自分の食べたいものをとにかく自由に食べていると、年を重ねて体調不良になり、やがて癌を宣告されるという事例は後を絶ちません。
食事をするというのは、実に大切な意思決定の分野で、お腹がすけば食べるしかなく、とにかくおいしい物を食べる、空腹を満たすために食事をする。それは何のためか?その目的は何かと考えていきますと、健康を維持するために食事をするとなるわけです。
私の場合ですと(この10年くらいですが)、健康を考えて塩と油ものも控えめにし、添加物はできるだけ少なく、お腹いっぱいに食べないと心がけています。時に守れなくて逸脱しますが、翌日くらいにはもとに戻すように心がけています。
他に良い案は無いのか?
今から数年前の1月下旬、色々なお店が入っているショップ街を歩いていました。クリスマスセールとお正月のセールが終わってバーゲンセールのシーズンで、かなり安いなと思いながら歩いていました。ふと気にいったショルダーバッグが目に留まりました。品質、デザインも良く、機能も十分で、定価はそれなりに高いですが、半額セールでした。
何のためにこのバッグを買うのかを自問自答です。色々な所用で半日以上外出するとき使うショルダーバッグを探していたのですが、その目的のためのバッグでは、やや小さいかなと思いながら、大きさ以外では満足だし、半額だから良いだろうと決断し買いました。
家人にも良いと言われながら、1年使いました。やはり少し小さくて、持ち物が少し多いとパンパンになってしまいます。今にして思うに、良い物だったが、他にもあるかもしれないと探すべきだったと思います。(今でも愛用しています。)
今回のショルダーバッグの場合、品質が良い、デザインが気に入っている、機能も十分ある、価格は○○円くらい、大きさは単行本とそれ以外にいろいろと入るゆとりあり、が条件だったわけです。
これらの条件は、最適な案を決めるための目的に対する目標・狙いどころと言った選択基準のことです。この大きさが、実は、一番重要だったかもしれません。そこを妥協したために、少し使いにくいともいえるのです。
私たちが、何かを決める場合、案は色々と出ている場合が多く、それを決めるのは何のためか?それを決める基準(目標、狙い)を考えて案を絞る、それでも良い案が無ければ、他に案が無いかを考えることだと思われます。
2018年3月12日 小坂圭吾