2024年1月18日木曜日

今を生きる「今年も歴史から学びたい」

ガジュマルの木(台湾にて)

ガジュマルの木

昨年の5月、誕生日記念に家族から鉢植えの木を贈られました。珍しい木だなと思いながら見ているとガジュマルの木だとわかり、「これは実にたくましい木だよ!」と家族に説明しました。

ガジュマルの木を知ったのは10年余も前、友人の勧めにより、夫婦で台湾旅行をした時に出会いました。ガジュマルは、沖縄や屋久島を始め東南アジア地域に分布する高木で、高さは20mにもなり、写真のように大変面白い形をしています。

幹の途中から気根と呼ばれる根を何本も出し、それがどんどん伸びて地面に付くと肥大して生長して、木を支える支柱根となります。

成長した気根は、地面の塗装に使われているアスファルトやコンクリートなどを突き破る威力があります。

気根を伸ばし元の木を包んで枯らしてしまうこともあり「締め殺しの植物」ともいわれ、モンスターのような感じでした。

台湾旅行を通して、色々と歴史遺産を見て回りましたが、台湾・中国の歴史の壮絶さを思い起こし、このカジュマルの木は、何かその歴史全体の流れを表しているかのように感じられました。

歴史は繰り返す 
                                                                                                                                                                                                                           歴史といえば、高校時代に学んだ受験勉強としての歴史でしたので、良くも悪くも教科書と参考書の暗記です。まずは暗記先行でしたが、今は、何故そのように書かれたのか?誰がどういう背景で書いたかを考えるようになりました。

中国でも日本でも歴史書を書いたのは、多くはその時の為政者の管理下で書かれています。わかりやすく言えば、主に戦争に勝利した側から過去の出来事を都合の良いように書くのです。

ひとつの事件でも、いろいろな見方や説があり、真実に対する意味付けはひとつではないかもしれません。為政者の管理下でなく自由に書いたものであれば見方も異なり、時代によっても、その見方や説はどんどん変わっていきます。

歴史を振り返りますと、人間は、あらゆる分野にわたり少し形を変えながら、何度も同じようなことを繰り返してきました。

聖書では、いかに人間が罪人であるかを教えていますが、科学の進歩は著しくとも、人間の心に至っては同じことを繰り返しています。

歴史に学ぶ 

「愚者は経験に学ぶが、賢者は歴史に学ぶ」の言葉がありますが、歴史に学び、今日に適用するとどうなるかを考えることが重要になります。ありとあらゆる事象に歴史はあり、過去の歴史を参考にすると見えてくるものがあります。


中国の劉邦(りゅうほう)は、中国文明の土台を築いたといわれる「漢」(BC202年に建国し、前漢として~AD8年まで)という国家を建設した人物です。

劉邦は、国の治め方について「秦」(劉邦の前にBC221年天下統一した国、短期で滅亡)から学び、急速な政治改革を断行せず、徐々に改革を推し進めていく姿勢を取りました。

その結果、十数年しか持たなかった秦に比べて、漢(俗に前漢)は200年も中国に平和をもたらしました。

劉邦は歴史から学んで生かした成功例ですが、日本では、徳川家康こそが、日本史上もっとも歴史を学んで活用したと断言できる偉人です。

昨年のNHKの大河ドラマを見つつ、あれこれ徳川家康について学ぶにつれ、彼の素晴らしさに触れることができました。

彼は膨大な書物・古典を愛読し、天下を取った後、沢山の書物を徳川御三家に贈与しています。この家康が尊敬していたのが、劉邦でした。

漢高祖・劉邦~家康の師と言われる

歴史を学ぶ意義 

「歴史を学ぶ意義は何か?」といえば、そこに登場する人々の行動や考え方から、人間とは何かを理解する手がかりを得る、自分たちにどのように生かすかを考えることでしょうか。

歴史を学んで、その中で自分にひっかかってくるものを掘り下げて知識を深める事により、やがて自分自身の人生の選択や生き方によい影響を与えてくれます。

それ故に、歴史を題材にした本が読まれ、NHKテレビをはじめ歴史番組が人々をひきつけるということでしょう。NHKBSの「英雄たちの選択」は、私も大好きな番組です。

ところで、聖書もまた壮大な歴史書のひとつです。その聖書は、歴史書の中でも深さと高さと広さにおいて最大の書であるゆえに、聖書は人生を導く書といわれるゆえんです。

この聖書と共に、生きた歴史を今年もしっかり学んでいけたらと願っています。       

「あなたがたは、聖書の中に永遠のいのちがあると思って、聖書を調べています。その聖書は、わたしについて証ししているものです。」(ヨハネ5:39)

2024年1月18日 小坂圭吾