2012年10月29日月曜日

健康余話 「今、何を後悔していますか?(1)」


   リタイア前にやるべき事
年をとって自分の人生を振り返り、“後悔することは少ない方がいい”のは言うまでもありません。シニアの方々、55歳から74歳の男女1000人を対象に、雑誌プレジデント(PRESIDENNT、2012.11.12号、ビジネス雑誌)が「今、何を後悔していますか?」と尋ねるアンケートを実施しました。3つのジャンルの中で「健康編」に関して、興味深い記事があり、一部を引用させていただきます。人生経験の豊かなシニアの方々の意見ですので、若い方にも聞くに値する事柄が並んでおります。

「健康編」後悔トップ20
①歯の定期検査を受ければよかった
②スポーツなどで体を鍛えればよかった
③日頃からよく歩けばよかった
④腹八分を守り暴飲暴食をしなければよかった
⑤間食を控えればよかった

以下、頭髪の手入れをする、たばこをやめる、ストレスの解消法をみつける、よく笑い悩まず過ごす、不規則な生活をしない、なんでも相談できる医師を見つける等が続きます。最初から5位をはじめ20位までを見ると、どれも今まで色々な場面で教えられ、言い続けられてきた事柄が並んでいます。健康を気遣っている事柄です。

                  歯を大事にする
後悔のトップにある事柄は、多くの方が「歯を大事にすればよかった」ということです。歯が悪いと食事もおいしくいただくことが出来ず、固いものは敬遠となってしまいます。歯の健康を保つことは、長寿の秘訣だと言われます。

私も40歳代の半ばですが、勤務先の健康診断で歯の検査があり、歯科医の方からこっぴどく叱られた覚えがあります。「こんなに立派な歯なのに、歯石がついたままでほったらかし。このままだと歯周病にもなる。年に一度は歯医者に行って、歯の掃除をしてもらいなさい!」この時始めて、歯医者には定期的に行かないといけないのだと知りました。それ以来、毎年欠かさず歯医者に行き、検査とクリーニング、そして歯の磨き方を指導してもらっています。入れ歯は無くすべて自分の歯とはいえ、時には、虫歯のかぶせ物が正月にはずれたりして、突然難儀をすることもあります。

数カ月前にも、突然歯が痛くなりました。こんなことは、この20数年なかったこと。かかりつけの歯医者に行くと歯周病であることが、レントゲン写真をとりわかりました。何度か通い歯の磨き方も教わり直して、練り歯磨きも歯周病と歯槽膿漏の予防になる物に変えました。1か月ほどで良くなりましたが、練り歯磨きも適当ではなかったことや歯の磨き方も十分でないことがわかりました。痛い目に遭わないと、自己流になっていたのを直そうとしない自分だとわかったのです。


                   体を温める   
後悔の2番目と3番目は、スポーツで体を鍛える、日頃からよく歩くとかの運動の必要性について語ってくれています。先日、漢方薬と食事療法によるユニークな医療で知られるイシハラクリニック院長・石原結實先生の著「保温力~冷えをとれば病気は治る!」(PHP新書)を読みました。この本の中で、“低体温こそが万病の原因となる”ことを説いておられます。体温が平熱よりも1度上昇すると、免疫力は5-6倍にもなるという。「体を温める」生活習慣で、病気の色々な症状も改善するというのです。昔は、子どもの体温は37度近く、大人は36.5~36.8度くらいだったのですが、今日では高い人でも36.2~36.3度、多くの人が35度台だそうです。この50年の間に日本人の体温は、1度近く低下したのです。なぜこのように日本人は低体温になったのでしょうか?それは、第一に身体を動かさなくなったことが原因だと言っておられます。

考えるまでもなく、私たちの生活は、体を使わないことがほんとに多くなっています。車の生活をはじめとして、エレベーターを使う、ちょっと重いと宅急便で運ぶ、便利な家電製品を使って家事をする、何かとリモコンを使って動かない等々、とにかく体を使うことが少ないのです。ですから、意識して体を使う事、手軽なやり方として日頃からよく歩く事に努めなければならいことが分かります。

冒険家の三浦雄一郎さんが、満80歳を期に再度エベレスト登頂を目指して、体の鍛錬(内容は、私たちにはまねができませんが)をしておられる様子をNHKテレビで見ました。その中で、彼は、とにかく歩く事に週3度くらい心がけておられます。わざわざ歩く事をするのは大変なので、出かけることがある時にそのチャンスを生かして長く歩く事をしておられます。

これを良いヒントにさせていただき、私もウオーキングに心がけています。体を動かすことによって、体温を上げることが出来ます。ちなみに、私の体温はと言えば、36.3~36.5℃くらいで、心して体を動かすので少し高い方かもしれません。   (続く)

2012年10月29日    小坂圭吾