今年も桜の季節になりました。昨年の4月には、福島県二本松市にある“三春(みはる)の滝桜”を、家人と一緒にめでました。四方に伸びた太い枝から、真紅の滝がほとばしるかのように無数の花を咲かせ、まさに滝が流れ落ちているかのような姿から、古来より「滝桜」と呼ばれるのだそうです。日本3大桜の一つに数えられ、国の天然記念物の指定も受けている樹齢1000年以上(推定)の巨木です。大勢の方々が来ておられ、共に桜をめでることが出来ました。巨木と言われる名所の桜を見たのは初めてで、素晴らしい桜を楽しみました。
会津藩校日新館
その折、会津若松城、会津藩校日新館にも行くことが出来ましたが、歴史好きですので満足しました。この会津藩校日新館は、約200年前に人材の育成を目的に建設され、江戸時代の300藩校の中でも規模、内容ともに有数の物と謳われました。幕末には「白虎隊」をはじめ多くの優秀な人材を輩出し、「ならぬことはならぬ」と言う会津魂を育んだこの学問の殿堂は、武士道の根源ともいえるものです。木造建築の美しさとぬくもりは、静けさの中で200年前に戻らされ、静かで小さな感動を思い起こさせてくれました。
会津若松城、会津藩校日新館の見学そして会津戦争で戦った白虎隊の人たちの様子を見聞きし、私の小学生の時、詩吟を習ったかすかな記憶がよみがえります。「少年老い易く、学成り難し」の詩吟は、小学4年生の学級朝礼でたびたび合唱しましたが、その時の担任・内藤先生は、今思えば武士道を身につけておられる素晴らしい方でした。
感動する?
旅をすることで素晴らしいものに出会え、記憶もよみがえり感動出来たのは、旅だからこそ出来たことでもあります。一方で、日常の生活の中にこそ、感動する、いいなあと思う、ありがたいと思う、元気をもらうことは出来ないのか、些細なことに感動を見出したいものだと常々考えます。
「感動する」を広辞苑で調べてみますと「深く物に感じて心を動かすこと」とあります。“物”とありますが、これは物体、人、事柄をはじめとして、漠然と言い表す表現にも使われるようです。ですから、すべての事について感動することを見出すことが出来るはずですが、これには、“感性”が必要なのでしょう。
私たちの毎日の生活では、もう見慣れたもの、古くなったもの、平凡、いつもと同じ、当たり前の事ばかりと思いがちです。ゆっくりじっくりと見ると何か違ったものが見えて来るかもしれません。特に感動するもの、新しいもの、珍しいもの、誰もが感心するものを探さなくとも、ちょっとした変化、みんなが見過ごしてしまいそうなもの、当たり前だと思っているものに面白い、素晴らしい、意味があるものを見つけられたら、どんなに素晴らしいでしょうか?
1日に一つくらいは、些細なこと、当たり前の中に感動するものを見つけられるようになりたいなと思っています。それは、神の恵みをもっと多く見出すことにもなります。そして、感動を増やすことによって“心の肌”が荒れないように、心に栄養を補給していく事にもなると考えます。
2014年3月31日 小坂圭吾