昨年の秋に、狭心症の疑いがあり、検査入院をするように医者に勧められ、しぶしぶ検査入院しました。健康には自信があり、それなりに留意しているつもりでした。カテーテル検査をしたところ狭心症とわかり即手術、ステントが1本入りました。
1泊だけの入院でしたが、退院前に、食事についての指導を家人と一緒に受けました。要は、食事に気をつけるようにと、油ものや濃い味の物を避ける、特に日本人は、食塩を取りすぎであるとの説明がされました。そのことで、血液がドロドロになりがちで、血管が詰まるようになるのです。玄米、菜食、魚系を中心とした食事をとりながらも、こんなことが起こるのかと、私自身かなりショックでした。
家人にしてみれば、「さもあらん!」との反応です。濃い味が好きな私ですから、味付けについては、“妻は薄味、主人の味は濃く”と結婚して間もなくから、そのようにしていた由。この栄養指導を受けてから「これを機にできるだけ薄味にしよう!」といとも簡単・気軽に心で決めたようです。(他人事のような表現ですが。)
薄味に挑戦!?
病院から退院してから早速、薄味の食事に挑戦!?いえいえ、そんなに大げさではありません。要は、家人の食べる味つけと同じものを、私も食べるのです。30年ほど前に、教会で食生活の改善について教えられ、家人は、玄米、菜食そして魚中心の料理で、かつ薄味の食事にしています。私も玄米菜食に異論はあるはずもなく、味だけは濃い味が好きですので、家人は、2種類作る気遣いをしていました。「これは、少し味が薄いかな?」と注文を出していました。
数日して発見した?ことは、薄味だと素材の味がよくわかります。野菜のドレッシングを少なめにし、パンもバターは少なく、ジャムは付けないこともあり、パンそのものの味や、野菜一つ一つの味がよくわかります。煮物でも、一つ一つの素材の味がおどろくほどわかるのです。
数週間して、もう薄味がとにかくよいと定着してしまいました。特に努力をしたわけでもなく、家人も味付けを2種類作らなくて済むので、ほんとに楽になったと喜んでいます。今では、「これ少し味が濃すぎるね?」と前と逆の話をすることも多くなってきました。
先月、教会でコーヒーとおいしいカステラが出され、クリープがなかったのでブラックコーヒーを飲みながら交わりをしました。それを契機に、自宅でコーヒーを飲むとき、時にクリープなしでコーヒーを飲むようになり、本人も驚きです。
考え方が変わる
“禁煙は難しいが絶煙は意外とやさしい”と言われますが、それに似た感じで、徐々に薄味と言わず、もう薄味しかないと思えば、それに一気に慣れてしまうようです。良いことに徐々にゆっくりではなく、気軽にやってみるかと踏み出してみるものでしょうか。
ふと、かつての私は、起床早朝が全く苦手だったことを思い出しました。5年ほど前に海外旅行に行くことになり、初日は4時前に起床でたいへん!妻は早起きは慣れたものです。海外旅行中は、毎日4時台に起床したと記憶していますが、意外と出来るではないかと、帰国後も良い習慣が定着したのです。
それまでも何度も早起きをしようと試みますが、失敗続き!それまでは、せいぜい10—20分くらい早起きから徐々に早く起きることに持っていこうという方法でした。これで挫折ですが、7時前に起きる習慣が、4時ごろに起きざるを得ないことが何日も続くと、考え方が全く変わるのです。ふとしたことで、考え方が変わり、出来るようになったのです。
暮らしに新しいことを見つけて歩むこと、これからもしていければと願います。考え方を変えることのできた恵みを、主に感謝します。
2016年2月13日 小坂圭吾