改訂新版に向けてスタート
「読むだけで分かる聖書」として多くの人に親しまれてきた『現代訳聖書(旧新約)』は、尾山令仁師の個人訳聖書として、1983年に初版が刊行されました。当初、全国の多くの方々にお願いをして“現代訳聖書”刊行の献金を募り、発行にこぎつけました。以来10版を重ねてきましたが、数年前にすべて売り切れとなりました。
これまでは、版を重ねるたびに改訂を行い、印刷費は教会で工面をする等、さまざまな努力を重ねてきましたが、10版の刊行以降、印刷の前工程のシステムが大きく変わり(一言でいえば、デジタル化による工程の変化)、10版で使用した組版が使用できない状況となり、ふりがなを付ける作業を含めた一連の組版作成作業を一から行なう必要が生じました。また、言葉は二、三十年で変わるという常識から、本文の見直しも全面的に行なうことにし、すでに改訂の作業を3年ほど前から始めています。
現代訳聖書ができるまでの経緯
『現代訳聖書』は、日本人への伝道と牧会の現場から生まれた聖書です。1953年、神学校を卒業した尾山令仁牧師は、開拓伝道に励みながら聖書の私訳に取り組み始め、聖書講解書や月刊誌『羊群』に連載していた講解説教につける形で翻訳を進めました。その後、『新改訳聖書』の翻訳委員としての責任を担う中で、「読むだけで分かる聖書」の必要性を強く感じるようになりました。
そのような時に、アメリカ聖書協会の翻訳者であり、言語学者のユージン・ナイダ博士の「ダイナミック・エクイバレンス」という翻訳原則に出会いました。これは、従来行われてきた「原語に忠実」という翻訳原則ではなく、歴史、社会、文化の違いを考慮に入れて「原文の意味に忠実」に訳すという原則であり、ウイックリフ聖書協会や一般の翻訳書において採用されている翻訳原則です。
この原則に基づき、“キリスト教の背景を持たない日本人にも分かる聖書”を目指して翻訳を進め、1983年10月に旧新約聖書66巻を『現代訳聖書』として無事刊行するに至りました。費やした年月は30年、翻訳原則を改めてからは20余年、随時手を加え、版を重ねる度に改訂を行なってきました。
現代訳聖書刊行の意義
『現代訳聖書』と同じ翻訳原則(「原文の意味」に忠実に訳すという翻訳原則)で訳された聖書は、英語圏では十数種類出ており、多くの人に読まれておりますが、日本語訳では『現代訳聖書』だけです。過去30数年の歴史の中で多くの人々からお寄せいただいた支持の声は、“分かり易い”ということです。日本語の多くの聖書のわかりにくさは翻訳にあるといわれますが、現代訳聖書の分かりやすさは、「原文の意味」に忠実に、原典に聖書解釈を加えながら訳していることによるものと言えるでしょう。
歴代の現代訳聖書 |
聖書はかなりボリュームのある書物です。現代訳聖書10版の場合、旧新約聖書で約2100ページにもなり、普通の単行本約10冊分の分量に相当します。このようなボリュームの本を出版するには相当の資金が必要であり、この度の「改訂新版」については、印刷費も含めて千八百万円程度の資金が必要です。
今回はそのうちの不足分一千三百万円を献金によってまかないたいと思い、ここに献金のお願いをする次第です。(4月末現在で、約230万円の献金が寄せられており、感謝しています。)この聖書が一人でも多くの日本人の方々に読まれることを願いつつ、ご協力をお願い申し上げます。
2018年5月20日 小坂圭吾(現代訳聖書刊行会代表)
■ご献金の方法
・三菱東京UFJ銀行 江古田支店(店番190)
普通預金 口座:1069586
現代訳聖書刊行会
代表 小坂圭吾
・ゆうちょ銀行 店名:098(ゼロキュウハチ)
店番:098 普通預金 口座:3677351
現代訳聖書刊行会
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領収書が必要な方は、下記までご連絡ください。
現代訳聖書刊行会
176-0012 東京都練馬区豊玉北1—12—13 聖書キリスト教会ビル
(ロゴス出版社内『現代訳聖書』担当)
■現代訳聖書刊行の歴史
1978年11月 現代人の聖書(新約)初版発行
1983年10月 現代訳聖書(旧新約)初版発行
1989年12月 現代訳聖書(新約普及版)初版発行~小見出し・脚注付き
1994年11月 現代訳聖書(旧新約)6版発行~小見出し付き
2000年04月 現代訳聖書(旧新約)8版発行~小見出し付き・文字を大きく
2004年05月 現代訳聖書(旧新約)10版発行~小見出し付き・文字を大きく
2014年06月 現代訳聖書(旧新約)日本語の見直しを開始
2017年04月 現代訳聖書・改訂新版(新約)電子書籍版(キンドル版)発行