他の人に伝えたい
先日、丹沢山麓を散策中に、何と驚いたことに、カラスに栄養ドリンク剤(ゼリー飲料)を盗まれてしまいました。手提げ袋に入れネットの網にかぶせてあったのですが、それをごそごそと開き持ち去ったとのこと。同じ袋にバナナは入っていましたが、それは取られず、良かった!知人が遠くから見ていて、やあ驚いたと説明してくれました。近くの人にこのことを話すと、「このあたりのカラスは賢くてよくやられるよ!」との事。感動したことやおもしろいこと、珍しい事などを体験したら、誰かに是非伝えたくなるものです。
しかし、その伝え方が悪いと十分に伝わりません。どのように伝えるかは、実に重要ではないかと思います。話をするにしても、書くにしても(翻訳をするにしても)わかりやすく伝えるために、多くの方々は苦労されているのだと思います。私もしかりです。しかし、わかりにくい話や書籍があるのもこれまた現実ではあります。
分かりにくい書物
分かりやすく伝えることで言えば、昨今は、池上彰さんが筆頭格かもしれません。彼がNHK「週間こどもニュース」でお父さん役を務めておられる時、「妻がこれは素晴らしい番組だ!」と言って、二人でしばしばこの番組を見ていました。大人のニュース番組よりも分かりやすく本質が理解できるからです。
NHKを退社されて、民放番組に出られる今も時々見ています。色々な書物を書かれていますが、どれも読んでさすがに分かりやすい!彼の著書で『伝える力』と言う本があり、この中で彼は「教科書や参考書は、非常にわかりにくい」と書いておられます。とっつきにくい説明、根本的なことをわかりやすく説明出来てない、専門家はわかりやすく説明することから逃げているとまで書いておられます。
小学生にでも分かるように説明できなければ、本人が分かってない証拠だとよく言われたものです。ですから、難しくて分かりにくい話や本を読みますと、本人も理解できていないのでは?と思ってしまいます。
わかりにくい聖書
いきなりですが、聖書は読むだけではわからない、わかりにくい書物だと思いませんか?学生の頃、よくぞ忍耐して読んだものだと!求道中の時、「わからないところは飛ばして、わかるところだけを読んでいけば良い」と言われました。多くのベストセラーと言われる書物で、読んでわからないので読み飛ばしていますか。(斜め読みや不要で読み飛ばしは、ありますね。)
わかりやすい翻訳の聖書と言えば、英語では色々な訳の聖書(10数種類)があり、分かりやすい翻訳、平易な文体のものがいくつもあります。日本では、読んでわかる聖書と言えば、「現代訳聖書」を筆頭にして、あとは「リビングバイブル」があるくらいです。聖書を手元に置くには、“現代語の聖書”を読むのが良いと、リック・ウオレンも勧めておられます。わかりやすい翻訳の聖書があることも知らない方が、ほんとに多いと感じています。
元来、聖書は読むだけでわかるものだったはずです。2000年以上も前に書かれた聖書を読んで、今日の私たちが分かりにくいのは、聖書の書かれた時代や風俗や習慣が、今日私たちが生きている日本とは全く違うにもかかわらず、それが考慮されないで翻訳されているからです。現在の英語の本から日本語に訳す場合でも、日本人にわかりにくい言葉、たとえ、笑い話等が続々と出て来るものです。ですから、アメリカ生まれでかつアメリカ育ちの方に意味をお聞きして、翻訳をして行くようにしています。
2013年5月27日 小坂圭吾