JR線最高駅・野辺山
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自制心の欠如
北朝鮮が核とミサイルの実験を次々実施し、これに対するアメリカ大統領の過激な発言が、緊張感を刈り立て、世界中に危機感が走ります。中国とロシアは、両者に対して“自制をして話し合いで解決すべきだ”と繰り返して述べています。自制という意味では、北朝鮮をここまで色々と陰で援助していた国も、これ以上の開発が出来ないように自制すべきことだと思われます。
私たちが抱えている色々な問題の原因は、自制心の欠如にあります。“自制する、自制心を持つ”ことは、人生というコースにおいて、自信と安心感を得ることができる重要な能力です。多くの人が、自制心に欠けて自分の人生に問題を抱え、何とかしたいと願いながら負けてしまっている現実があります。
スポーツ界の頂点に立つ選手たちにとって、自制心と自己訓練は欠かすことのできない要素です。2020年に向けて、オリンピック選手たちは、何年も体を鍛え、練習を積み重ね、食べ物に留意等の自制をし、レースに臨みます。私たちの人生レースは、どんなスポーツ競技よりも重要で、自制心は必須の要素です。
マシュマロ実験
アメリカ・スタンフォード大学の心理学者が、幼稚園児(4歳の子供)数百人に参加してもらい、次の実験を行いました。~被験者である子供は、何もない机と椅子だけの部屋に通され、椅子に座る。机の上には、皿の上にマシュマロがひとつ載っている。実験者は「これを君にあげるが、私が戻ってくるまで15分間食べるのを我慢したら、もうひとつあげるね。これを食べたら、ふたつ目はなしだよ」と言って部屋を出る。ドアを閉めたとたんに子供は、どうしたでしょうか?
子供たちの行動は、隠しカメラで記録されます。机を蹴ったりして目の前の誘惑に抵抗/マシュマロをなでる・匂いをかぐ/椅子を後ろ向きにしてマシュマロを見ないようにする等々。
映像分析の結果、マシュマロを見つめ触ったりする子供は食べる確率が高く、2/3の子供たちが待ちきれずに食べてしまった。我慢できた子どもは1/3で、目をそらすとかしてマシュマロから注意を逸らそうとする傾向があるとのこと。他の国でも実験がなされ、同様な結果を得たとのことです。
自制心を養うために
これは、「自制心」(セルフコントロール)と呼ばれている「将来のより大きな成果のために、自己の衝動や感情をコントロールし、目先の欲求を辛抱する能力」についての意義深い実験です。その後も追跡調査が行われ、4歳児における自制心の有無は、18~19歳になっても持続しており、マシュマロを食べなかった子供は、全員が順調な道を歩んでいたとのこと~成績も良く、友人や先生との関係も良好、将来設計も出来ていた由。一方、マシュマロを食べた子供たちは、問題を抱えていたとの報告です。
「自制心を身に着ける」には、どうしたら良いのでしょうか。まずは、自分の生活の中で、自制心を養う必要があると思われる領域、そこにおける具体的な問題について、“自制心の欠如の責任は私にある”ことを素直に認めることです。
「人はそれぞれ自分の欲に引かれ、おびき寄せられて、誘惑されるのです。」(ヤコブ1:14)と聖書にあります。悪いと知りつつ悪いことをしてしまうのは、そうしたいという強烈な願望があるからです。人は、誘惑に負けて安易な道を選ぼうとするものです。自分の問題を認めて、それに向き合い見極めることです。
「私には、この問題があります。この部分について助けが必要だ」と、主なる神さまに助けを求めて祈ることから始めましょう。色々な祈りの課題がある中で、それを優先して祈らねばなりません。後回しになったりしていないでしょうか。過去に取り組み失敗をしたとしても、過去の失敗は捨て去り、あきらめないで、祈りながら取り組みましょう。
神さまに心をしっかり向けて祈り、事をなそうとするならば、自制心を養うことについて力と知恵をいただくことができます。何度か失敗したことであっても、あきらめずに取り組むならば、涙の谷を歩んでいたとしても、祝福の泉がやがてわいてくることでしょう。
(詩編84:5-6 現代訳)
≪参考資料:「人生を変える力~実り豊かな人生の秘訣」(リック・ウオレン著、PDJ刊)~御霊の9つの実に焦点を合わせながら、人生のジレンマに対する具体的な解決を聖書から提示している。リック・ウオレン牧師の数少ない著作の一つ。『人生を導く5つの目的』に引けを取らないほど、教えられる所が多い≫。
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2017年9月22日 小坂圭吾